実はメキシコは、コーヒーの名産地だということは、ご存知でしたか?
あまり知られていないのですが、メキシコは、化学肥料や農薬に頼らないコーヒーであるオーガニックコーヒーの聖地とも呼ばれています。
というのも、世界で流通しているオーガニックコーヒーの60%は、メキシコで栽培されているんです!
世界の半分以上って凄い数値ですよね(笑)
化学肥料や農薬に頼らないオーガニックなメキシココーヒーは、どのような香りや味がするのか気になりませんか?
今回は、実際にメキシココーヒーを飲んだ筆者が、香り・豆・味わいのなどの特徴を具体的に紹介していきます。
1.メキシココーヒーの特徴とは?
メキシココーヒーの味は、産地によって特徴に多少の差がありますが、「ほど良い酸味があり、苦みが少ない」という共通の特徴があります。
味のバランスが取れていてサッパリとしているため、「苦みが強いコーヒーは苦手!」という方でも、美味しく飲むことができます。
実際に豆を見てみると、粒の大きさがキレイに揃っているのがわかります。
豆の大きさが揃っていないと、味に雑味が出てしまいますが、メキシココーヒーの豆の収穫は、成熟した豆のみを手摘みで行います。
そのため、メキシココーヒーの豆は、雑味が少なく、メキシココーヒー本来の味を楽しむことができるんです。
また、他の産地のコーヒー豆と比べて、香ばしさが鼻に残り、香りを嗅いだだけでリラックスできるのも魅力ですね。
コーヒー豆を開けた時、豆を挽いた時などにメキシココーヒーの芳醇な香りを楽しむことができるはずです。
そんなメキシココーヒー で、とく人気があるのは以下3つのブランドです。
- コアテペック・・・最古のメキシココーヒー。チョコレートのような甘い香りと、滑らかな舌触りが特徴
- オアハカ・・・「コーヒーの女王」と呼ばれ、コーヒー豆を天日干しして作られており、まろやかな酸味とバランスの良い甘みが特徴
- タパチュラ・・・香ばしいナッツのような香りと、キャラメルを連想させる甘みが特徴
どの産地の豆か知っておくと、コーヒー飲んだときにより繊細に味を感じられます。
せっかくなのでメキシココーヒー の産地と等級についてもお伝えしておきますね!
2.標高による等級分け
メキシココーヒーは、栽培する地域の標高によって等級分けされています。
標高が高い地域は、朝夕の気温差が大きくなるため、身が引き締まって品質が良いコーヒー豆が採れます。
そのため、メキシコでは、標高が高い地域の方が、良いコーヒー豆が取れるとされているのです。
下のリストで、高い標高の地域で採れて、等級が高い順に並べてみたのでチェックしてみてください。
等級 | 標高 |
ストリクトリーハイグロウン | 1700m以上 |
ハイグロウン | 1000m以上1700m未満 |
スタンダード | 1000m未満 |
メキシコで有名なコーヒーの産地は、標高と等級が高い順番で下の3つです。
- コアテペック(ハイグロウン)
- オアハカ(ハイグロウン)
- タパチュラ(ストリクトリーハイグロウン)
それぞれの産地は、標高や特色が異なるため、産地ごとにコーヒーの特徴も下の図のように変わってきます。
産地名 | 標高 | 産地の特色 | コーヒーの味わい |
コアテペック | 1200m | ・メキシコのコーヒー産地として最古 ・昼夜の寒暖差があり降水量が多いため、コーヒーの栽培に適している | ・チョコレートのような甘い香りと、滑らかな舌触り |
オアハカ | 1555m | ・太平洋に面した険しい山で育てられる ・険しい山での労働は限られるため、生産量にも限りがある | ・ハミチツのような柔らかい酸味と甘みが特徴的 ・「コーヒーの女王」という名前を持つ |
タパチュラ | 3995m | ・メキシコの最南端にある ・コーヒーの木を直射日光から守るシェードツリーを植えて、丁寧に栽培する | ・香ばしいナッツの風味とキャラメルのような甘さが特徴的 |
それでは、産地ごとのコーヒーの特徴を具体的に見ていきましょう。
コアテペック
コアテペックで栽培されたコーヒーは、チョコレートのような甘みがあるため、なめらかなコクや舌触りを堪能できます。
コアテペックは、1000~1200mの標高に位置し、昼夜に寒暖差があり、降水量も豊富です。
コーヒーの生産に、とても適した地域ということですね。
そんなコアテペックで栽培されたコーヒーは、とても高品質であり、ほのかな苦味とやわらかい酸味があります。
その味は、まるで上質感があふれるダークチョコレートのようといわれています。
オアハカ
オアハカは、ハチミツを連想させるマイルドなコクと甘みが特徴的なオーガニックコーヒーが盛んに栽培されています。
ハチミツのようなコクと甘みが出る秘密は、『ハニーオアハカペタテドライ』という工程にあります。
ハニーオアハカペタテドライとは、コーヒー豆を天日干しする時に、ペタテ(ヤシの繊維で編まれた敷物)の上にコーヒー豆を置いて乾燥させる工程のこと。
ハニーオアハカペタテドライ製法で乾燥させると、ヤシの繊維に含まれる甘みがコーヒー豆にも移って、ハリミツのような甘みを含むといわれています。
このオアハカで伝統的に行われている工法で仕上がったオーガニックなコーヒー豆は、ハミチツのようなコクと甘みが生まれます。
タパチュラ
タパチュラで栽培されたコーヒーは、香ばしいナッツの風味とキャラメルのような甘さが特徴的です。
タパチュラは、コーヒーの栽培をする時にシェードツリーという木を植えて、日光からコーヒーの木を守ります。
そうすることで、コーヒーの木が、直射日光に当たりすぎて成長しにくくなることを防ぐのです。
さらに、コーヒー豆の収穫は、成熟した豆のみをちゃんと見分けられるように、手摘みで行われます。
そして、収穫したコーヒー豆は、天日干しされて、太陽から贈られる旨味がギュッと詰め込まれるのです。
これらの過程で丁寧に作られたタパチュラのコーヒー豆は、ナッツのような風味とキャラメルのような甘さが詰め込まれます。
コーヒーの基礎知識|なぜメキシコのコーヒーは美味しいの?
メキシコは、高温多湿で温暖な地域であるため、コーヒーの栽培に向いています。
コーヒーの木は、育てるのが難しい植物であり、下で紹介する4つのポイントを抑えている地域でないと育ちません。
・雨…成長期に雨が多く、収穫期に乾燥している
・日当たり…日当たりが強すぎると、木の元気がなくなってしまう
・温度…平均20度ほどの温暖な地域
・土質…酸性を含む土の方が、木が育ちやすい
これらの条件を満たすためには、乾燥している地域ではなく、高温多湿で温暖な地域である必要があります。
メキシコは、東西が海に面しており、特にメキシコ南部は、高温多湿で温暖な地域です。
メキシコ南部は、上の4つのポイントを全て抑えているため、コーヒーの栽培に向いている地域になります。
3.メキシココーヒーは煎り方で風味が変わる
メキシココーヒーは、煎り方で風味が変わってきます。
煎り方による風味の違いを、
- 浅煎り
- 中煎り
- 深煎り
の順番で紹介しますので、自分好みの煎り方の参考にしてくださいね。
3-1.浅煎り
スッキリとした飲みやすさを味わいたい方は、浅煎りがおすすめです。
メキシココーヒーは、浅煎りにすることで、柑橘系の果物や紅茶などのような風味が味わえます。
浅煎りのメキシココーヒーは、苦みが少なくスッキリと飲めるため、ミルクや砂糖を入れないブラックでも楽しめることでしょう。
3-2.中煎り
チョコレートのような味わいを堪能したい方は、中煎りを選ぶと良いでしょう。
メキシココーヒーは、中煎りにすることで、チョコレートのような酸味と甘さが出てきます。
中煎りにしてチョコレートの風味が出ることで、ミルクとの相性もバツグンです。
チョコレートのような味わいが気になり、ミルクが入ったコーヒーが好きな方は、ぜひ中煎りのメキシココーヒーを試してみましょう。
3-3.深煎り
メキシココーヒーの豊かな香りを堪能したい方は、深煎りを選びましょう。
メキシココーヒーは、深煎りにすることで、カカオのようなコクや香りが生まれます。
苦みが少ない特徴があるメキシココーヒーは、深煎りにしても嫌な苦みが残らず、キレが良くさっぱりとした苦みに変わります。
いつまでも飲んでいたくなるカカオのような香りと余韻を味わいたい方は、ぜひ深煎りのメキシココーヒーを選んでくださいね。
4.メキシココーヒーの伝統的な味わい方
メキシココーヒーは、産地のメキシコで愛される伝統的な味わい方があります。
どれも少しの手間を加えるだけで、いつもと違ったコーヒーを楽しむことができます。
メキシココーヒーを飲むのであれば、本場の味わい方もぜひ試してみたいですよね。
- ブラック
- カフェ・デ・オジャ
- カフェ・コン・レチェ
の順番で味や作り方を紹介しますので、伝統的な味わい方が気になる方は、ぜひ試してみてください。
4-1.まずはブラックで本来の美味しさを
まずは、砂糖やミルクを入れないブラックでメキシココーヒーならではの飲みやすさを味わいましょう。
苦みが少ないメキシココーヒーは、ブラックで飲んでも美味しく飲むことができます。
メキシココーヒーは香りと酸味のバランスがとても良いので、まずはストレートで飲むことで、上品でやわらかいマイルドな味わいを楽しむことができると思います。
また、ブラックで様々な煎り方のメキシココーヒーを飲むことで、煎り方による風味の違いなども確認しやすくなるのです。
そのため、メキシココーヒーを手に入れたら、まずはブラックで飲むことをオススメします。
4-2.優しい味で体が温まる「カフェ・デ・オジャ」
カフェ・デ・オジャは、優しい甘さとシナモンの風味で体を温めるメキシココーヒーの伝統的な飲み方です。
カフェ・デ・オジャの「オジャ」は、日本語で「鍋」を差し、カフェ・デ・オジャは、鍋で、
- メキシココーヒー
- ブラウンシュガー(黒糖)
- シナモン
を煮出して作ります。
カフェ・デ・オジャに含まれるシナモンは、血液のめぐりを良くして体を温める効果があります。
さらに、黒糖によるコクがある甘みによってリラックス効果が感じられるのです。
メキシコは、気候が暖かくて過ごしやすい地域ですが、標高が高いため、朝と晩で寒暖の差が激しい地域でもあります。
寒い日の朝は、カフェ・デ・オジャを飲んで「ホッ」と一息ついて体を温めてから、外への仕事へ出かけることでしょう。
「カフェ・デ・オジャ」の作り方
カフェ・デ・オジャを2人分作るために必要な材料がこちらです。
- メキシココーヒー(20g)
- 水400ml
- ブラウンシュガー、黒砂糖(大さじ3杯)
- シナモンスティック1本(小さじ1杯)
下の手順でカフェ・デ・オジャを作ることができます。
*作り方*
10分ほどで簡単にできるので、本場メキシコの味を味わってみたい方はぜひチャレンジしてみてくださいね。
4-3.まろやかな味わいの「カフェ・コン・レチェ」
カフェ・コン・レチェは、コーヒーとホットミルクの組み合わせによって、まろやかな味わいが楽しめる飲み方です。
カフェラテと比較的似ていますが、カフェ・コン・レチェとカフェラテは、コーヒーとミルクの割合に差があります。
カフェラテは、コーヒー:ホットミルク=2:8ほどの割合で作るのに対して、カフェ・コン・レチェは、コーヒー:ホットミルク=1:1の割合で作るためです。
カフェ・コン・レチェの方が、カフェラテよりもコーヒーを入れる割合が多いですよね?
そのため、カフェ・コン・レチェは、カフェラテよりも、コーヒーの味がしっかりと味わえるミルクコーヒーと思えば、イメージがつきやすいでしょう。
「カフェ・コン・レチェ」の作り方
カフェ・コン・レチェを2人分作るために必要な材料です。
- メキシココーヒー(20g)
- 水200ml
- 牛乳200ml
- はちみつ(お好みで)
カフェ・コン・レチェを作る手順は、下の通りです。
*作り方*
5分ほどで簡単にできるので、メキシココーヒーをまろやかに味わってみたい方は、ぜひチャレンジしてみてください。
コーヒーの基礎知識|メキシココーヒーが始まったきっかけ
メキシココーヒーの始まりは、スペインがメキシコにコーヒー文化を持ってきたことがきっかけです。
メキシコは、1519年から1821年の間、スペインの植民地となっており、元々、コーヒーを飲んだり栽培する文化がありませんでした。
1795年、メキシコがスペインの植民地になっていた時に、スペイン人がコーヒーの苗をメキシコに持ち込んで栽培します。
その時に持ち込まれたコーヒーが、メキシココーヒーが始まったきっかけと言われています。
5.おすすめのメキシココーヒー
メキシココーヒーを紹介しましたが、知れば知るほどメキシココーヒーが気になりませんか?
そこで、様々なコーヒーを飲んだ筆者オススメのメキシココーヒーを取り扱うお店を紹介します。
5-1.エル・トリウンフォ | 北浜ポート焙煎所北浜ポート焙煎所は、毎日挽き立てのスペシャルティコーヒーを販売するお店です。
スペシャルティコーヒーとは、一定の条件を満たした生産工程で生産されたコーヒー豆のことです。
そのため、生産国での生産工程・味・香りなどの基準を満たしており、従来のコーヒーと比べて高品質なものになります。
こちらで取り扱っている「エル・トリウンフォ」は、スペシャルティコーヒーであり、雑味が少なくて、クリアな味が楽しめるメキシココーヒーです。
酸味と苦味のバランスが取れていて、しっかりとした甘みがあるため、メキシココーヒーの余韻が感じられます。
また、こちらのコーヒーは、カフェインの成分が取り除かれたカフェインレスコーヒーです。
「妊娠中・授乳中だから、カフェインが入ったコーヒーを飲めない…」といった方でも安心して飲むことができます。
メキシココーヒーをネットで注文して飲んでみたい方は、ぜひ北浜ポート焙煎所のエル・トリウンフォを試してみてくださいね。
まとめ
ブラジル・コロンビアに続くコーヒー産地のメキシコで栽培されるメキシココーヒーを紹介しました。
メキシココーヒーは、ほど良い香りと酸味があり、苦味が少なくて飲みやすいため、コーヒーが苦手な方でもチャレンジしやすいコーヒーです。
また、シナモンや黒砂糖などを入れて少しの手間を加えるだけで、産地のメキシコで飲まれる伝統的な味わい方を楽しむこともできます。
自分好みのコーヒーをお探し中の方は、ぜひメキシココーヒーも試されてくださいね。