「コーヒーの種類にはアラビカ種とロブスタ種がある」とはよく言われますが、「ロブスタ種のコーヒーってどんなものなんだろう?」と考えたことはありませんか?
あなたと同じく、私も最近までそう思っていました。
そこで「ロブスタ種」と検索。 すると出てくるのは「まずい」「くさい」などネガティブな言葉の数々…。
いつもなら「そうかぁ。やっぱりくさくてまずいのかぁ。」で終わるところでした。
しかし、今回はなぜか気になって気になって仕方がなくなったので、ロブスタ種のコーヒーを実際に飲んでみることにしました。
この記事ではその感想を含め、ロブスタ種のことをじっくり探っていきたいと思います。
目次
ロブスタ種のコーヒー豆とは?
「ロブスタ種のことはなんとなく聞いたことあるけどいまいちよく知らない…」という方もいるかも知れませんね。
そこでここからは、ロブスタ種のコーヒー豆の特徴を簡単にご紹介していきます。
ロブスタ種のコーヒー豆の一般的な特徴をさらっとおさらい
コーヒー豆の品種は大きく分けて3種類あります。
アラビカ種とロブスタ種が全体の99%を占めており、残りの1%がリベリカ種と言われています。
その中でもロブスタ種は病害虫に強く、標高の低いところでも元気たくさん育つので栽培しやすい品種。
1本の木から取れる量も多いので、大量生産できるのです。
しかし、アラビカ種と比較すると味、香りなどの品質が低く安い単価で取引されています。
そのため、ストレートで飲まれることはほとんどなく、インスタントコーヒーや缶コーヒーの原料として使われることが多いです。
また、苦味が強いのでアイスコーヒーを作るときや、アクセントを加えたいときにブレンドされることもあります。
(という理由で使いつつ、実はコーヒーの原価を下げるために使っている場合もあるみたいです…)
ロブスタ種の主な産地は?
ロブスタ種は主にベトナムやインドネシアで栽培されています。
とくにベトナムでは、ロブスタ種のコーヒーに練乳をたっぷり入れた「ベトナムコーヒー」がよく飲まれます。
…というのが一般的に知られているロブスタ種の知識です。
ここまでならあなたもどこかで聞いたことがあるかもしれません。
しかし、私は今回新たな事実を発見しました。
それは「ロブスタ種にも銘柄があった」という事実です。
ロブスタ種にも銘柄がある?!
銘柄とは、いわばコーヒーの「ブランド」のこと。
例えば、アラビカ種のコーヒーは「インドネシア マンデリン G1」のような銘柄がたくさんあります。その点、ロブスタ種は「ロブスタ種」と一括りにされがち。
それは、今まではロブスタ種のコーヒー豆が「ジャバロブスタ」1種類しか出回っていなかったからです。
実際私も「ロブスタ種はどうせロブスタ種なんでしょ?」なんていう謎の上から目線でロブスタ種のことを見ていました。
ですが、今回改めて調べてみてびっくり。
なんとロブスタ種にも銘柄が複数存在したのです。
複数のロブスタ種が確認できたのは、今のところ1店舗のみ。
しかも、「最高品質のロブスタ種」をうたうコーヒー豆まであるではないですか。
「これは飲まずにはいられない!」コーヒー好きの血が騒ぎ始めたので、思わずポチってしまいました。
ロブスタ種はまずいの?実際にロブスタ種のコーヒーを飲んでみた
今回飲んだのは2種類。
- ジャバロブスタ(インドネシア) フレンチロースト
- トイ・スペシャル・ワイニーナチュラル(ベトナム) シティロースト
忖度なしの感想をお伝えしたいと思います!
ロブスタと言えばこれ!ジャバロブスタ(インドネシア)
インドネシア原産のジャバロブスタ。
「まずい」と言われている昔からあるロブスタの一種です。聞いたことがある方もいるかもしれませんね。
まずはそんなジャバロブスタの感想から。
香り?いや、匂いが強烈!
早速驚かされたのが豆の香り。
宅配便の箱を空けた瞬間からもうすごい。
言葉で表すのが難しいのですが、なんというか何かが焦げたような香りがします。
「これが噂に聞くロブ臭というやつなのか。」と思いましたよね。
箱から出してその辺にポンッと置いたら豆の周辺がもうそのにおいになっちゃいます。
しょっぱなから見事なジャブを繰り出されたので少しびっくりしましたが、気を取り直して抽出していきます。
ネットであれだけ「まずい」と言われているロブスタ種。
しかもこの「におい」、いや、「臭い」を感じてしまったので、期待と不安が入り混じった状態で抽出を進めていきます。
淹れ終わったところで、いざ実飲!(ドキドキ)
意外と飲めるぞ?ジャバロブスタ
人生初ロブスタ種のシングルオリジン。 どんな恐ろしいコーヒーになってしまうのかと思いましたが、結果はいい意味で「あれ?」という感じでした。
液体の色はかなり濃いですが、豆のような臭いはありません。かと言ってコーヒーらしいあの香りがあるわけでもありませんが…
あの臭いが液体に残らないなんて意外…
恐る恐る口にしてみると、こちらもまた意外。
焙煎度も関係しているかもですが、お茶とはまた違う香ばしさを感じます。
多くのネット記事で言われている通り、確かに渋み、苦みが強く、アラビカ種のようなクリーンさはありません。でも「意外と飲めないことはないぞ。むしろめっちゃ個性的」というのが第一印象。
さらに後味がなんというか土っぽくて野性的。 これはこれでアリ。
冷めるとさすがにちょっとしんどい…
「あれ?思ってたんと違う」と思いつつ、少し時間をおいて飲んでみることに。
さすがに冷めてくると渋さが勝ってくるけど、全然飲めないことはない。
しかし、苦み、渋みが強いからか、飲み進めていくと胃あたりがしんどくなってきました。
そのため、さすがに「もう一杯飲みたい」とは思えませんでした。
せっかくなので、ちょっと残った分に氷を入れてアイスコーヒーにしてみることに。
うん。全然飲める。後味にぐわっと苦味が来る感じ。
ジャバロブスタの感想をまとめると「野性的やけどストレートでも全然飲めるやん。でももう一杯はいらんなぁ」という感じです。
最高の品質のロブスタ?トイ・スペシャル・ワイニー ナチュラル(ベトナム)
こちらが今回初めて発見したベトナムのロブスタ「トイ・スペシャル・ワイニー」。
トイさんというコーヒー農家が約2年かけ「最高品質のロブスタ」を作り上げたようです。これは期待値上がる。
「トイ・スペシャル・ワイニー」にはウォッシュド、ハニー、ナチュラルと精製方法違いで3種類ありますが、今回はナチュラルを選んでみました。
コーヒーなのに、〇〇の香り!
まずは豆の香りから。
ジャバロブスタと違い、独特な強い香りはありません。
「でもなんか嗅いだことのあるにおいだけど、なんだろう…」 私の数少ないにおいの引き出しを開けまくっていたら思い出しました。
それは「きなこ」。
きなこっぽ~い少し甘いにおいがするんです。なんでだろう。
控えめに言っておいしい!
さて、においはこれくらいにして、お楽しみの実飲タイム。
「最高品質とは言ってもジャバロブスタと同じロブスタ種だしなぁ。」(ドキドキ)と思いながらまずは液体の香りを嗅いでみる。
ほぼ無臭。豆のきなこっぽいにおいすら感じなくなってしまいました。
ちょっと残念な気持ちを引きずりつつ、一口目をゴクッ。
「え?!ロブスタだよね?」と思うくらいすっきりとしたコーヒー。
ロブスタ種と知らずに出されたら「おいしいね」なんて言って普通に飲んでしまいそうです。
あ。でも後味にジャバロブスタと共通するような味が出てきました。
これをロブスタっぽいと言えばいいのかな?でも苦味はほとんどない。なんだったら甘さすら感じるほど。
トイ・スペシャル・ワイニーは「控えめに言っておいしい」というのが私の感想です。
ベトナムのトイさん。お会いしたことはないけど、おいしいロブスタを作ってくれてありがとう。
結論:ロブスタ種=まずいの概念は今後変わってくるかもしれない
ネットで「まずい・安い・くさい」なんて散々な言われ方をしているロブスタ種ですが、私の中では今回の実飲で完全に見方が変わりました。
ロブスタ種はまずくない。
むしろ、個性的でめちゃくちゃ楽しいコーヒー。
しかも、「ロブスタは低品質」という常識を覆すような、品質の高いロブスタまで出始めてきています。
今はまだマニアックな領域かもしれませんが、近い将来アラビカ種と同じように、カフェのメニューにロブスタが並んでてもおかしくないのでは?と感じるほどの衝撃でした。
ロブスタ種の将来がどうなっているのかが楽しみです。
今回ロブスタ種のコーヒー豆を買ったお店をご紹介
「そこまで言われたら、ロブスタ種のコーヒー飲んでみたいなぁ」と思う方もいるのではないでしょうか。
今回「ジャバロブスタ」「トイ・スペシャル・ワイニー」を購入したのは、生豆本舗というお店です。
- ジャバロブスタ(インドネシア)
https://www.namamame.jp/index.php?main_page=product_amountselling_info&cPath=1&products_id=1001
- トイ・スペシャル・ワイニー ナチュラル(ベトナム)
https://www.namamame.jp/index.php?main_page=product_amountselling_info&cPath=1&products_id=917
生豆本舗は名前の通り生豆を販売しているのですが、焙煎豆も販売されています。
スタンダードな豆からスペシャリティコーヒー、さらには今回ご紹介したロブスタなど珍しい豆も販売されています。
豆の種類が多いのが特徴なので、コーヒー好きの方なら絶対楽しめるお店です。
ロブスタ種のコーヒー豆が気になって仕方なくなったら、ぜひ試してみてくださいね。
生豆本舗
まとめ
今回の体験を通して、「ロブスタ種はまずくない。くさいのもあるけど。」ということがわかりました。
今まで当たり前のようにアラビカ種のコーヒーやコーヒー豆だけが選択肢になっていましたが、これからはロブスタ種も選択肢のひとつになりそうです。
また、ロブスタ種にも複数の銘柄が出てきました。
今後のロブスタ種がどうなっていくのか非常に楽しみです。
知るためには、調べるのも大事ですが、体験するのが1番効果的です。
「ロブスタ種のことをもっと知りたい!」と思った方は、ぜひ実際に飲んでみてくださいね。
きっと新たな世界が開けますよ。