「ハワイのカウコーヒーって、どんな味なの?」
「ハワイのどこで作られているの?」
「ハワイのコナコーヒーとは、どう違うの?」
と思っていませんか?
ハワイのコーヒーと言えば、コナコーヒーが有名ですが、近年、注目されているのが「カウコーヒー」!
コナコーヒーにも負けない味と高い品質で、人気が世界中に広まっています。
オバマ前大統領が推薦したコーヒーとしても、有名になりました。
上品な酸味とフルーティな甘味が特徴のカウコーヒー。
苦味が強くないので、コーヒー初心者にもぴったり!栽培から収穫までこだわり、厳選された豆は、体にも優しいと言われています。
カウコーヒーは、ハワイ島のカウ地区だけで栽培されている特別なコーヒーです。
栽培しているのは、なんと70軒ほどの農園だけ!その生産量は世界の総生産量のわずか1〜3%とか!それだけ希少価値の高いコーヒーなんですね。
「日本でも飲めるところはあるの?」
「飲んでみたいけれど、どうやって飲めばおいしいの?」
「お土産にするときは、何を選べばいいの?」
と思うかもしれませんね。
そこでこの記事では、カウコーヒーの味や香りなどの特徴を、コーヒー初心者の方でも分かりやすいようにやさしく解説。
合わせて、オススメの飲み方やお土産にぴったりの商品をご紹介しましょう。
カウコーヒーとは?特徴を紹介!
カウコーヒーは「芳醇な香り・やわらかなコク・ふくよかな甘さ」が特徴のコーヒーです。
とくに、上品なフルーティさとチョコレートやココナッツのような風味があるとも言われています。苦味も控えめなので、コーヒーをあまり飲まない方にもオススメ。
そんなカウコーヒーの特徴を次の4点から見ていきましょう。
- 産地
- 味わい
- 香り
- 豆の形
産地はどこ?
カウコーヒーの産地は、ハワイ島の最南端にあるマウナロア山東側の「カウ地区」です。
ちなみにコナコーヒーは、同じマウナロア山の西側にある「コナ地区」で栽培されています。どちらも、生産される地区の名前がつけられたコーヒー豆ってことですね。
同じ山の東側と西側ですが、カウ地区ではサトウキビの栽培をしていたため、肥料がなじんだ赤土を豊富に含んでいます。土の断層が重なり、さらさらとした細かい土壌が特徴です。
また、適度に雨が降り、風通りもよく、コーヒー栽培に適した気候。
コナ地区の特徴である溶岩質の黒い土壌や、高温で乾いた気候とは異なっています。
この土壌や気候の違いが、同じハワイ島で栽培されたコーヒーでも味や風味に影響しました。
東と西で、それほど違いが出るって不思議!それだけ、コーヒーは繊細な植物なんですね。
カウコーヒーの歴史
カウ地区は、もともとサトウキビの栽培が盛んな地区でした。
1894年に最初のアラビカ種コーヒーが植えられ、少しずつ栽培範囲が広まっていったものの、当初はカウコーヒーの存在も知られていなかったそうです。
また、収穫されたコーヒーは外国へ輸出されることはなく、ハワイ島だけで販売されていました。
その後、1990年代に入ってからサトウキビ産業の衰退とともに、大規模なサトウキビ農園が次々に閉鎖。コーヒー栽培に転向した農家が増えました。
現在では、70軒ほどのコーヒー農園でカウコーヒーが栽培されています。それでも、世界のコーヒー総生産量の1〜3%にも満たない生産量なのです。
そんなカウコーヒーですが、話題となる大きなきっかけがありました。それは、2009年のオバマ大統領の就任晩餐会!
大統領が自らカウコーヒーを推薦し、参加者に振る舞ったことから、世界中の人から注目されるようになったのです。
さらに2011年、カウコーヒーは世界的なコーヒー豆品評会「スペシャリティーコーヒー アソシエーション アメリカ(SCAA)」でトップ10に入賞します。
こうしてカウコーヒーの味と品質が評価され、少しずつ人気が広まっていきました。
世界中のコーヒー好きの人々から人気の高いカウコーヒーですが、今も化学肥料を使わず、堆肥やマカデミアナッツの殻を使った有機肥料で栽培しています。
収穫した後は、丁寧に水洗いしてから天日干しと機械乾燥で仕上げ、高品質を保つ努力を惜しみません。
大量生産はせずに、生産量も少ないまま。そのため希少価値が非常に高く、高価格で取引されているのです。
どんな味がするの?
カウコーヒーは、次の3つの味が特徴です。
- まろやかな口当たり
- 穏やかで優しい酸味
- フルーティな甘い香り
1番の特徴は、とにかく苦味が少ないこと!レモンやシトラスのような優しい酸味があり、後味もさっぱりしています。
ふくよかな甘さも特徴で「砂糖を入れずに、ブラックのままでも飲みやすい」と評判なんです。
コーヒーをあまり飲んだことのない人や、コーヒーの苦味が苦手な人にもオススメできます。
どんな香りなの?
カウコーヒーの香りは、甘いのが特徴です。
チョコレートやココナッツに、シトラスのように爽やかなフルーツを足した香りをしています。
とくに、黒砂糖を思い出すような香りは、かつてカウ地区でサトウキビ栽培が盛んだったことに由来しているのではないか…と考えられています。
どんな豆なの?
コナコーヒーの豆の色は、薄いグリーン色で平べったい形をしています。
ハワイ州では、コーヒーの品質を守るために厳しい基準があります。
コナコーヒーと同じように、カウコーヒーもコーヒー豆の「大きさ・色・香り・欠点数の数」で等級分けがされています。
ランクの高い順に並べてみました。
- エクストラ・ファンシー
- ファンシー
- ナンバーワン
- プライム
最上級の「エクストラ・ファンシー」は、豆の大きさが7.5mm以上、欠点豆の数も厳しく決められています。
一時期は幻になった、エクストラ・ファンシー
品質の良さを売りにしていたハワイのコーヒー。
しかし、一時期、エクストラ・ファンシーの豆を販売するのが難しくなったことがあります。
それは2013年頃、ハワイで「ベリーボーラー」という害虫が大量発生したこと。
カウ地区は、コナ地区ほど被害は大きくなかったものの、欠点豆が増え、エクストラ・ファンシーの等級を得ることが難しくなったのです。
その後、たくさんの方々の尽力で、カウコーヒーもコナコーヒーも、安定した収穫ができるようになりました。
ピーベリー
ピーベリーとは、1つの実に2つ入っているはずのコーヒーの種が1つになったもの。
形が珍しいだけでなく、栄養が1つの種に凝縮されることで、より深い香りと味わいのコーヒーになると言われています。
「ピーベリー」と言えばコナコーヒーが有名なのですが、実はカウコーヒーにも、規格外のピーベリーがあるんです。
自然にできるものなので、なかなか手に入らず、とても珍重されています。
カウコーヒーは入れ方、煎り方で風味が変わる
コーヒー豆は、豆の煎り方(ロースト)やお湯の温度など、「入れるまでの過程」で風味が全く変わってきます。
ここからは、カウコーヒーをおいしく味わう入れ方を紹介していきます。
カウコーヒーは、85度から90度で淹れよう
カウコーヒーは、85度〜90度くらいのお湯で淹れましょう。
目安としては、沸騰してから30秒ほど置いて、お湯の表面がユラユラと少し揺れているくらいの状態です。
ポットは、注ぎ口が細めのものを選びましょう。ペーパードリップの場合、コーヒー1杯につき10gの粉を使います。軽くゆすって、表面を平らにしましょう。
500円玉くらいの円を描くように、ゆっくりとお湯を注ぎ、全体が湿ったら30秒ほど置いて蒸らします。
その後、またゆっくりと円を描くようにお湯を注ぎましょう。
浅煎り(ミディアム)のカウコーヒー
浅煎りのカウコーヒーは、苦味がほとんどなく、爽やかな酸味と甘味を楽しめます。
さっぱりとした味わいには、軽めのスイーツがぴったり!フルーツを使ったケーキやタルト、チーズケーキやスフレなどと合わせると、フルーティな味わいが引き立ちます。
こんな方におすすめ
- コーヒーの苦味が苦手な方
- さわやかな酸味を味わいたい方
- カウコーヒーの甘みと香りを味わいたい方
中煎り(ハイ、シティ)のカウコーヒー
中煎りのカウコーヒーは、一番人気の味わい方です。
酸味と苦味のバランスがよく、いろいろなスイーツに合うのも嬉しいところ。フルーツや生クリームを使ったケーキ、シフォンケーキや、アップルパイとも相性抜群!
クッキーやビスケットにもよく合います。
こんな方におすすめ
- カウコーヒーのバランスの良さを味わいたい方
- フルーティな甘さと、やわらかな苦味を味わいたい方
- いろいろなスイーツと一緒に楽しみたい方
深煎り(フルシティ)のカウコーヒー
深煎りのカウコーヒーは、苦味と甘み、しっかりとしたコクを味わえます。酸味がほとんどなくなるため、カフェオレなどミルクと合わせても、おいしく味わえます。
合わせるスイーツは、濃厚なチーズケーキやチョコレートがおすすめ!深煎りコーヒーならではのコクや、苦味を引き立ててくれます。
こんな方におすすめ
- コーヒーの酸味が苦手な方
- ミルクと合わせて味わいたい方
- チョコレートなど濃厚なスイーツと一緒に楽しみたい方
エスプレッソで楽しもう
エスプレッソは、深煎りの豆にマシンで圧力をかけて、短時間で抽出したもの。雑味が少なく、濃縮されたカウコーヒーの味わいが楽しめます。
とくにアイスクリームと相性抜群で、中でもバニラアイスクリームにエスプレッソをかけた「アフォガード」はハワイでも人気のスイーツです。
ブレンドするのもオススメ
カウコーヒーは、100%カウコーヒーのシングルオリジンで味わう方法が一番!
ですが、実はハワイではカウコーヒー30%、ハワイ産コーヒー70%のようにブレンドされたコーヒー豆も販売されています。
上品な酸味をブレンドすることで、カウコーヒーの複雑な酸味がさらに引き出されるんです。
100%カウコーヒーと、カウブレンドコーヒーで、味の違いを楽しんでみるのもいいですね。
日本でもカウコーヒーが楽しめるカフェ
ハワイにはなかなか行けないけれど、「カウコーヒー」を楽しめるカフェがあるといいなと思った方!日本でもカウコーヒーを味わえるカフェがありますよ!
- スターバックス リザーブ
- アイランド ヴィンテージ コーヒー
スターバックス リザーブ
「スターバックス リザーブ」は、世界中にあるスターバックスの中でも、厳選されたコーヒーを楽しむための特別なブランドのこと。
このブランドは、限定されたお店でしか取り扱われていません。でも、この限定されたお店では「高品質なカウコーヒーを楽しめる!」と、コーヒー通の間で評判なんです。
リザーブの店舗では、3つのローストレベルからコーヒー豆を選べます。コーヒー豆は注文した後、その場で挽いてくれるのも嬉しいポイント。
さらに、抽出方法もとっても多彩な種類から選べるんです。
迷ったときには、バリスタさんに相談できますよ。
カウコーヒーの豊かで複雑な味わいを引き出すには、プアオーバー、またはケメックスで抽出するのがオススメとか。
カウコーヒーの取り扱い店は、全国で62店舗!街中で見かけるスターバックス店から考えると少ないですが、それでも、北海道から沖縄まで展開されています。
お近くのお店を調べて、貴重なカウコーヒーをぜひ楽しんでみてください。
また「スターバックス リザーブ」は店舗での販売だけでなく、オンラインショップもあります。ご自分や、大切な人へのお土産に購入するのもいいですね。
アイランド ヴィンテージ コーヒー
1996年にハワイのホノルル店に店をオープンして以来、こだわりのコーヒー店として人気を集め、日本に上陸した「アイランド ヴィンテージ コーヒー」。
ハワイ店のこだわりをそのままに、高品質のコーヒーを味わうことができます。
「アイランド ヴィンテージ コーヒー」では、希少価値の高い100%カウコーヒーを店内で注文できます。
一杯ずつ、丁寧にハンドドリップで抽出されるカウコーヒー。日本のカフェで見るサイズよりも大きいM、Lサイズで提供されるのも嬉しいところ。
フルーティな香りで、酸味と苦味の少ないすっきりとした味をたっぷりと楽しんでくださいね。
コーヒーと一緒に楽しめるサンドイッチも人気です。ソースやドレッシングもハワイ本店のレシピのまま。ボリューム満点のサンドイッチでハワイ気分を味わうのもいいですね。
日本で展開している「アイランド ヴィンテージ コーヒー」は、表参道、お台場、横浜の3店舗。東京や神奈川へお出かけの際は、ぜひ足を運んでみてくださいね。
オススメのカウコーヒー
コーヒーの風味を実感するには、「実際に飲んでみる。」のが一番!
ここからは「コーヒーはあまり飲んだことがないけれど、ハワイのカウコーヒーを家で飲んでみたい!」という方にピッタリの商品を紹介していきます。
レギュラーコーヒーのオススメ3選
ペーパードリップやコーヒーメーカーが家にある方は、レギュラーコーヒーに挑戦してみましょう!オススメは、以下の3つです。
- アイカネ・プランテーション
- カウコーヒーミル
- ハワイカウコーヒー
アイカネ・プランテーション「カウ・コーヒー」
100年以上前から、伝統的な農法と製法を守ってきた「アイカネ・プランテーション」。有機栽培を貫き、手摘みしたコーヒーチェリーは丁寧に選別されてから天日干しされます。
農園の広さは、カウ地区で5本の指に入るとか!その品質は非常に高く、ハワイ州政府による「シールズ・オブ・クオリティ」の認定を受けています。
この認定は、安全で品質が良く、規定をクリアした食品にだけ与えられるもの。地元でも高い評価を受けていることが分かりますね。
そんなアイカネ・プランテーションで販売されているのは、ミディアムダークローストのコーヒーのみ。
こちらの農園で育てた豆は、ミディアムダークローストが1番適したロースト加減なんだそうです。焙煎豆だけでなく、挽き豆も選ぶことができます。
やわらかなフルーティさと甘み、チョコレートやココナッツのような風味、苦味もあまり感じません。なので、コーヒーをあまり飲まない方にもオススメ!
ハワイのワンランク上のお土産としても人気です。
「アイカネ・プランテーション」の「カウ・コーヒー」は、オンラインショップでも注文できます。豆の状態と量、ピーベリーも選べます。ご自宅でハワイのこだわりのコーヒーを味わえるのは嬉しいですね。
カウコーヒーミル「カウコーヒーミル」
「カウコーヒーミル」は、2012年にオープンしたばかりの新しい銘柄。農園の栽培面積はそれほど大きくありませんが、これからが楽しみなコーヒー園です。
ここのカウコーヒーは甘みとコクが特徴で、ローズヒップやハイビスカスのような酸味も人気の秘密。
2013年SCAAボストンでは、その品質の高さから「インターナショナル・ロースターズ・チョイス賞」を受賞しました。
カウコーヒーミルは、AmazonやYahooなどネットからの購入もできます。ハワイまでは行けないという方も、自宅でカウコーヒーの新しいおいしさを楽しんでみてはいかがでしょうか。
また、ハワイ島のカウ地区パハラには、カウコーヒーミルの工場兼直営ショップがあります。ここでは、7種類のカウコーヒーを試飲できるんですよ。
定番の3種類がセットになった商品は、お土産にも最適!
ハワイ産の食料品や衣料、雑貨なども扱っているので、ご家族やお友達とゆっくり見て回るのも楽しいですね。
ハワイ カウコーヒー「ハワイ カウコーヒー」
「ハワイ カウコーヒー」は、「コーヒードクター」と呼ばれるジョンさんが、栽培から精製、焙煎までを徹底管理した高品質なカウコーヒーです。
ジョンさんは、コーヒーの品質向上に貢献している第一人者!大学やアメリカ農務省にも研究協力しています。
そのジョンさんが安心安全を追求し、ベストな状態で作ったカウコーヒーは、カフェインに敏感な人でも安心して飲める優しいコーヒーとして人気です。
手間はかかりますが、コーヒー種の周りのヌルつきを残す「セミウォシュド処理」を行うことで、より一層コーヒー豆の甘みが引き出されています。
この高品質なコーヒーは、クラウドファンディングを経て、今ではオンライン購入ができるようになりました。
最上級のエキストラファンシーの他に、貴重な豆とされるピーベリーも選べます。
生豆、豆、粉、ご希望の方法で購入ができるのも嬉しいポイント!至極の味を、ご家庭でぜひご堪能ください。
*東京の自由が丘にあるハワイアンショップ「ALOHA1246」でも購入可能となりましたが、2020年12月現在、新型コロナウイルス感染拡大に伴って休業中です。
*2020年12月25日、新宿に店舗オープン予定です。
インスタントコーヒー
専門的な道具がなくても、お湯を入れるだけで完成するインスタントコーヒー。残念ながら、カウコーヒーのインスタントコーヒーは見当たりませんでした。
ただ、レギュラーコーヒーで紹介した「ハワイ カウコーヒー」では、ドリップパックでの購入が可能です。
パックをコーヒーカップにセットして、お湯をゆっくりと注ぐだけでおいしいカウコーヒーが1杯ずつ楽しめます。カウコーヒーを気軽に飲んでみたいときは、ぜひ試してみてください。
まとめ
ハワイでも限られた狭い地区だけで、高品質にこだわり栽培されるカウコーヒー。丁寧に育てられ収穫されたコーヒーは、世界でも希少価値が非常に高く、コーヒー通にも人気です。
同じハワイ島で収穫される有名なコナコーヒーと比べても劣らず、さらに繊細で複雑な酸味と豊かな甘みがあると評されます。
現地に行かれた際には、2つの味を飲み比べるのも楽しい思い出になりそうですね。
ハワイまでは行けないという方も、カウコーヒーを楽しめるお店でハワイの雰囲気を楽しむのもオススメです。
収穫量が少ないため、なかなか手に入らないと言われていますが、オンラインショップで販売しているお店もあります。見かけたときに購入するのもいいですね。
優しい甘みと香り豊かなカウコーヒーで、厳選されたハワイのおいしさをゆっくりとお楽しみください。
公式Twitterでは、ひょんなことからFIKAを担当することになってしまった編集長が、コーヒーの新しい発見を日々発信しています。一緒にコーヒーを学んでいきませんか?