コーヒー豆の買い方って本当に難しいですよね。
「在宅ワークが増え、家でコーヒーを飲む機会が増えた。でも、おいしいコーヒー豆になかなか出会えない。」
最近、そんな声をよく聞くようになりました。
おいしいコーヒーを飲むためには、何よりもまず品質の良いコーヒー豆を選ぶ必要があります。
しかしご存知の通り、コーヒー豆は世の中に星の数ほどあります。
その中から「品質の良いコーヒー豆を選びたい!」と思っても、なかなか難しいのが現実。
そこで今回は、現役焙煎士である私の視点から「初心者でもおいしいコーヒー豆が手に入れられる買い方」をご紹介します!
目次
コーヒー豆を買うならまず「良いコーヒー豆」と「おいしいコーヒー豆」の違いを知っておこう
何かを選ぶときは、基準があると選びやすいですよね。
例えば、家のコンロがIHだったら、IH対応のフライパンを選びますよね。これは「家のコンロがIHである」ことが「IH対応のフライパン」を選ぶための理由になっているわけです。
コーヒー豆選びに迷うのは、まだこの「基準」を持っていないからです。
そこで今回、2つの基準を考えてみました。
それは「良いコーヒー豆」と「おいしいコーヒー豆」です。
「同じじゃない?」と思われた方もいるかもしれませんね。
1つずつ解説していきますね。
良いコーヒー豆とは?
「良いコーヒー豆」とは、簡単に言うと「鮮度の高いコーヒー豆」のこと。
コーヒー豆を買うなら、できる限り、焼き立てのコーヒー豆を選ぶのがおすすめ。
焙煎から時間の経ったコーヒー豆は嫌な酸味や渋み、雑味を感じることが多くなるからです。
例えば、実際にコーヒーを飲んでみて「青臭い味がする」「カビのような味がする」場合、良いコーヒー豆ではない可能性が高いです。
また、新鮮な良いコーヒー豆であれば、ハンドドリップの醍醐味であるあの「モコモコ」も体験できます。
「豆の鮮度」を基準にするのが1番簡単
この「良いコーヒー豆」に、私達の味の好みは関係ありません。
新鮮か、新鮮じゃないかだけ。客観的で、誰がみても同じ基準です。
そのため、良いコーヒー豆は次の「おいしいコーヒー豆」よりも比較的探しやすいです。
なので、まずは良いコーヒー豆を探すことから始めるのが良いでしょう。
ちなみに他の条件として
- ハンドピックがきちんとされていること
- コーヒー豆の中心まで火がしっかり通っていること
この2つも考えていますが、豆を買う段階ではわかりません。
そのためここでは、豆を買う段階でわかる「鮮度」をメインにおいています。
おいしいコーヒー豆とは?
次に「おいしいコーヒー豆」とは、自分の好みに合うコーヒー豆のこと。
苦めが好き、酸味のあるものが好き、甘みを感じるものが好きなど、「自分の口に合うかどうか」が基準になります。
「おいしいコーヒー豆」は、あなたの中にある主観的なものです。
そのため、おいしいコーヒー豆を見つけるには、まず自分の好みを把握しておく必要があります。
まずは押さえたい!良いコーヒー豆の買い方
ここまでまとめると、あなたにピッタリなコーヒー豆を買うには
- まずは、「良いコーヒー豆(新鮮な豆)」を選ぶ
- 次に、自分の口に合う「おいしいコーヒー豆」を分かっておく
この順番で探していくのがおすすめです!
そこでここからは、①「良いコーヒー豆を選ぶ」ためのポイントを見ていきましょう。新鮮な豆を選ぶには、大きく4つのポイントがあります。
- 豆の状態で買う
- 10日で飲み切れる量だけ買う
- 焙煎日がわかるものを選ぶ
- コーヒー豆の専門店で豆を買う
1つずつ解説していきますね。
良いコーヒー豆の買い方1:豆の状態で買う
コーヒー豆は、「粉」か「豆」のどちらか2つの状態で売られています。
良いコーヒー豆を選ぶなら、豆の方を買いましょう。
粉は豆と比べて、極端に賞味期限が短くなるからです。
どんな環境で保存するかにもよりますが、豆の状態では焙煎してから約10日、その豆特有の風味が保たれます。
しかし、豆を挽いて粉になってしまうと、挽いてから約1〜2日しか風味が保たれません。
- 豆の賞味期限:焙煎してから約10日
- 粉の賞味期限:(焙煎した後で)挽いてから約1〜2日
これは、豆を細かい粉にしたことで、空気に触れる表面積も大きくなったからです。そのため、豆のときよりも急激に酸化が進み、賞味期限も短くなってしまいます。
空気中の酸素と食品の成分が触れることによって起こる反応。
必ずしも「酸化」=「劣化」というわけではないが、多くの場合その品質・風味を好ましくない状態に変化させる。
良い状態が長く続く、豆を買うようにしましょう。
良いコーヒー豆の買い方2:10日で飲み切れる量だけ買う
鮮度の高いコーヒーを飲むためには、必要なときに、必要な分だけ買うようにしましょう。
くり返しになってしまいますが、コーヒー豆は「豆の状態で」「焙煎してから約10日」が賞味期限です。
コーヒー豆の安売りをしているのを見つけると、「安いからまとめて買っておこう!ラッキー!」と思っていませんか?
確かに安い値段でたくさん買えると、何回も買いに行く手間も省けます。でも、良いコーヒーを飲みたいなら、賢い買い方とは言えません。
「なくなったら、そのたびに買う」というのが、良いコーヒー豆の買い方です。
良いコーヒー豆の買い方3:焙煎日がわかるものを選ぶ
良いコーヒー豆を買うには、「いつ焙煎されたのか」わかる豆を選びましょう。
普通の食品とは違い、コーヒー豆は賞味期限ではなく「焙煎日」を見るというのがポイント。
コーヒー豆の賞味期限は「豆の状態で」「焙煎されてから約10日」でしたね。
つまり「焙煎日」がわからないと、劣化したコーヒー豆を買ってしまう可能性があるんです。
劣化してしまうと、せっかくの良い風味が損なわれてしまいます。
なので、買う前に「豆が焙煎された日」を確認しておくのがベストなんです。
良いコーヒー豆の買い方4:コーヒー豆の専門店で豆を買う
しかし、「焙煎日を書いているコーヒー豆なんて見たことないよ」という方もいるかもしれませんね。
おすすめは、コーヒー豆の専門店で豆を買うこと。豆の専門店なら、商品に焙煎した日づけを書いてくれていることが多いからです。
もし書いていなくても、店員さんに「この豆の焙煎日はいつですか?」と聞けば教えてくれるでしょう。
一方、スーパーなどの量販店で販売されているコーヒー豆は、焙煎日を書いているものは少ない気がします。(というか、ほぼない…)
ですので、コーヒー豆の専門店で買うのが良いでしょう。
オンラインショップの場合は?
「でもオンラインショップだと、焙煎日もわからないし、店員さんにも聞けないよ…」そう思っている方も少なくないでしょう。
オンラインショップでコーヒー豆を注文するなら、注文後に焙煎してくれるお店を選ぶのがおすすめ。
そのようなお店は、注文後に焙煎した豆を発送してくれるので、焙煎してから1〜2日の新鮮なコーヒー豆が届きますよ。
※お店によってルール(注文時間の締め切りなど)が異なりますので、ご注意ください!
自分好みの味を見つけたい!おいしいコーヒー豆の買い方
鮮度の高い「良いコーヒー豆」の買い方がわかったら、次は「おいしいコーヒー豆」の買い方を知って、自分好みのコーヒー豆を探しましょう。
「おいしいコーヒー豆」を買うために押さえておきたいポイントは、以下の4つです。
- 自分好みの焙煎度を知る
- 自分好みの産地を知る
- 自分の好みに近そうなブレンドを買う
- 「いい感じ」と思ったら買い続ける
1つずつ解説していきますね。
おいしいコーヒー豆の買い方1:自分好みの焙煎度を知る
おいしいコーヒー豆を買うためには、自分がどの焙煎度が好きかを知っておくと便利です。
焙煎度とは、コーヒー豆の焼き加減のこと。いわゆる「浅煎り・深煎り」、「ライトロースト・フルシティロースト」とか言われるものです。
コーヒー豆は「どの焙煎度にするか」によって、大きく味が変わってきます。
例えば、浅煎りだと酸味は強くなりますが、苦味が少なく、まろやかな味わいに。
反対に深煎りへ近づくほど酸味が弱くなる分、苦味は強くなり、コクも出てきます。
このように、自分の好きな焙煎度を知っておくと、お店でコーヒー豆を買うときの基準にできるのです。
ただし、ここで注意しておかなければいけないのは「お店によって焙煎度はまちまち」であるということ。
焙煎度には、明確なルールが決められているわけではありません。
そのため「A店では中煎りだったものが、B店では中深煎りだった…」なんてことはよくあります。
あくまで目安ですが、知っている人と知らない人では、おいしいコーヒーの出会える確率は大きく変わりますよ。
おいしいコーヒー豆の買い方2:自分好みの産地を知る
好みの産地を知っておくのも重要です。
コーヒー豆は産地によって、味わいの傾向が大きく違うものだからです。
例えば、コロンビアならバランスが良く、マイルドな飲み口。
コロンビアコーヒーの魅力は完璧なバランスにあり!産地ごとの特徴から美味しい飲み方までご紹介します!
イエメンなら、ワインのような上品な酸味と後味にくる甘み。
ワインのような上品な酸味が特徴のイエメンコーヒーの魅力とは?美味しい飲み方も解説します!
インドネシアなら、深いコクとスパイシーな苦味。
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などなど、産地によって味わいに特徴があるので、自分の好みの産地を知っておくことで、おいしいコーヒーに出会える確率が高まるでしょう。
おいしいコーヒー豆の買い方3:まずは自分の好みに近そうなブレンドを買う
ただ、「まだ自分の好きな産地が分からない…」という方もいるのではないでしょうか。
そんな方であれば、まずはブレンドを買うのがおすすめです。
ブレンドは、焙煎士さんが「こんな味わいのコーヒーがあったらいいなぁ」を実現したもの。
「すっきりブレンド」「苦味ブレンド」など、名前から味わいが連想できるものが多いですよね。
これなら「コロンビア ウィラ」や、「エチオピア イルガチェフェ」などのシングルオリジンよりも圧倒的に味のイメージがしやすく、選びやすいかと思います。
また、自分好みのブレンドを見つけた後、「このブレンドのこういうところが好きだなぁ」と深堀りしていくと、好みの産地を見つけられるかもしれません。
味のイメージがしやすいブレンドを買うことで、自分好みのおいしいコーヒーに近づけますよ。
おいしいコーヒー豆の買い方4:「いい感じ」と思ったら買い続ける
ここまで試して自分好みのコーヒー豆を見つけたら、そのお店で買い続けてみましょう。
「新鮮な良いコーヒー豆」と「自分好みのおいしいコーヒー」を販売してくれるお店なら、他の豆を試しても当たりになる可能性が高いからです。
グアテマラの深煎りが好きな人なら、同じ深煎りの他の産地のものにチャレンジしてみましょう。
同じお店であれば深煎りの基準は同じなので、他のお店で買うよりも、同じようにおいしい可能性は高くなります。
このようなことをくり返していくうちに、コーヒーに関する視野がどんどん広がっていき、いろんなコーヒー豆に詳しくなっていきます。
そうなると、他のお店で買うときにも「これはこんな感じかな?」とイメージがつきやすくなり、コーヒー豆の買い方で失敗することが少なくなりますよ。
店舗に行くなら店員さんに希望を伝えるのもおすすめ
店舗でコーヒー豆を買うなら、店員さんとコミュニケーションをとるのがおすすめです。
自分の好きなコーヒーのイメージを伝えれば、それに近いコーヒー豆を選んでくれます。
コーヒーの味のイメージを伝えるときは、以下のことを伝えると店員さんが選びやすいです。
- 苦味(強め・弱め)
- 酸味(強め・弱め)
- 甘み(強め・弱め)
- 自宅でどんな器具でコーヒーを淹れているか
器具によって味が変わると言っても過言ではないので、どんな器具で淹れているかは大事なポイント。
「器具+味の好み」を伝えれば、自分にあうコーヒーを手に入れやすいですよ。
まとめ
今回は、初心者の方でもわかるコーヒー豆の買い方をご紹介してきました。
鮮度の高い「良いコーヒー豆」を販売しているお店で、自分好みの「おいしいコーヒー豆」を買うのが、失敗の少ない買い方です。
まだ好みがわからないということであれば、味のイメージのしやすいブレンドコーヒーを買うのがおすすめ。
この記事を参考にコーヒー豆の買い方を身につけて、おうちコーヒーをより良いものにしてくださいね。