ネルドリップで淹れたコーヒーを飲んだことがありますか?
おいしく淹れたネルドリップコーヒーは、あなたのコーヒー人生にとって忘れられない一杯になることでしょう。
それほどまでに「おいしい」と言われるネルドリップは、コーヒー愛をさらに高めてくれるドリップ方法でもあります。
今回は、コーヒー愛好者たちをトリコにするネルドリップコーヒーについてご紹介します!
目次
ネルドリップとは?
ネルドリップは、布でできたフィルターを使用したドリップ方法です。
ネルドリップの「ネル」とは、「フランネル」を略したもの。起毛した布、という意味を持ちます。
秋になると着たくなる「ネルシャツ」の「ネル」も、「フランネル」を略したものです。
ネルシャツの素材と手触りを思い出していただけると、ネルドリップで使用するネルのイメージがしやすくなるのではないでしょうか。
ヨーロッパから伝わってきたと言われるネルドリップは、かつて、日本でメジャーなドリップ方法でした。大きなネルを使い、1度に大量のコーヒーを抽出していたのです。
しかし、次第に少量ずつのドリップが求められるようになりました。やはり、飲む直前に淹れたコーヒーが1番おいしいですものね。
その結果、1杯ごとに淹れられるペーパーフィルターが開発され、ネルフィルターが使われなくなっていったのです。
準備と手入れの面倒さも、ネルフィルターが使用されなくなった原因のひとつでしょう。
1900年代ペーパーフィルターが開発されてからは、より多くの人たちが手軽にコーヒーを楽しめるようになりました。
けれども、ネルドリップでしか味わうことのできない「まろやかさ」「濃厚なコク」は、そう簡単に忘れられるものではありません。
そこで、少量ずつドリップできる、小さなネルフィルターが販売されました。
「究極の抽出方法」と呼ばれるネルドリップに、コーヒー愛好者たちは今日も魅せられているのです。
ネルドリップで入れたコーヒーの味は?
「究極の抽出方法って、フィルターを布にしただけでしょ?大げさじゃない?!」なんて思う方もいらっしゃるはず。はい、わたしもそうでした(小声)。
でも違ったのです!布のネルフィルターがコーヒーのおいしさを最大限に広げてくれるのです。
ネルドリップがおいしい理由には、ネルフィルターの特性と関係があります。
- ちょうど良い大きさの「目」
- コーヒー粒子をキャッチする「起毛」
- コーヒー粉をまんべんなく蒸らせる「伸縮性」
その3つの特性についてご説明します。
1.ちょうど良い大きさの「目」
ネルドリップのおいしさの秘密の1つ目は、ネルフィルターの目の大きさにあります。
このフィルターの目が「雑味」をブロックしつつ、さらに「コーヒーオイル」をほどよく抽出してくれる「ちょうど良い大きさ」をしてるんです。
雑味は、コーヒー豆が持つ本来の味を邪魔してしまうもの。雑味を出さずに抽出できることがおいしいコーヒーを味わう上で重要になります。
一方でコーヒーオイルとは、コーヒーの上にうっすらと浮かんでいるオイル状のもの。このオイルには、コーヒーのコクや香りがつまっています。
雑味を取り除き、コーヒーオイルを抽出することで「コクがあり、コーヒー豆本来の味」を味わうことができます。
2.コーヒー粒子をキャッチする「起毛」
おいしさの秘密の2つ目は、ネルフィルターの「起毛」です。
家庭用ネルフィルターの場合、片面が起毛しています。この起毛が、コーヒーに含まれるコーヒー粒子をキャッチ。コーヒー粒子がフィルター内にとどまり、サーバー内に落ちてきません。
そのため、舌触りがなめらか&まろやかなコーヒーを味わうことができるのです。
3.コーヒー粉をまんべんなく蒸らせる「伸縮性」
ネルドリップのおいしさの最後の秘密は、ネルフィルターの伸縮性にあります。
お湯を注ぐと、コーヒー粉は形を変えますよね?収縮性のあるネルは、変化するコーヒー粉の形に合わせて、自分自身も形を変えることができるんです。
ペーパーフィルターと違った柔軟さがあるからこそ、粉全体をまんべんなく、しっかり蒸らすことができます。
コーヒー豆知識:どうして、コーヒーは蒸らすとおいしくなる?
コーヒーをドリップするときによく聞く「蒸らし」。蒸らすことで、味にどんな変化をもたらすのでしょうか。
コーヒーは蒸らすことで、コーヒー豆の持つ「個性」をより味わうことができます。それぞれの豆が持つ「おいしさ」を、さらに引きだしてくれるのが「蒸らし」なのです。
その理由は「ガス」。
コーヒー粉にはガスが含まれていて、蒸らすことでそのガスが放出されるんです。ガスがなくなることで、お湯の通り道ができると、すみずみまでお湯が行きわたるようになるので、コーヒー粉全体から均等にコーヒーが抽出されます。
そのため、より豆の持つ味を味わえるようになるのです。
きっと、コーヒー豆も自分の個性や、いいところを知ってもらいたいと思っているはず!蒸らしを行い、豆の持つ素晴らしい味を余すことなく味わいたいですね。
いかがでしょうか?なんとなく、ネルフィルターのおいしさの秘密に近づくことができましたか?
あ!「こんなにネルフィルターが素晴らしいなら、ペーパーフィルターは良くないの?」という心の声が聞こえてきました。
では、次にネルフィルターとペーパーフィルターを比べてみましょう!
ネルドリップvsペーパードリップ
結論からお答えすると、どちらが「おいしい」と感じるかは、どんなコーヒーが好きかによって変わります。
なぜなら、ネルドリップとペーパードリップ、それぞれ淹れられるコーヒーの味が違うからです。
- ネルドリップは、どっしりしていてコクがあるコーヒー
- ペーパーフィルターは、スッキリした飲み口のコーヒー
ネルドリップでは、ネルフィルターの特性から「コーヒーオイル」が多く抽出されます。そのため、コクと香り、そして重厚感のあるどっしりとしたコーヒーになります。
一方ペーパーフィルターは、ペーパーが「雑味」「コーヒーオイル」ともに吸収します。そのため、スッキリとした飲みやすいコーヒーになるというわけです。
ドリップ方法ごとに味が変わるということは「フレンチプレス」「エアロプレス」など、それぞれ得意とする味があるということ。
各ドリップで、どんな味のコーヒーが入れられるのかちょっとのぞいてみましょう。
ハンドドリップごとに変わるコーヒーの味
今回は、5つのハンドドリップ方法を挙げてみました。味の特徴を見てみましょう。
ドリップ法 | 味の特徴 |
ネルドリップ | なめらかな舌触り。コクと香り、重厚感があるコーヒー |
ペーパードリップ | スッキリして飲みやすいコーヒー |
金属フィルター | コーヒーオイルがネルドリップより多く抽出される。香り&コクのあるコーヒー |
フレンチプレス | コーヒーオイルが最も多く抽出される。コクと、コーヒーのアロマを存分に楽しめるコーヒー |
エアロプレス | 圧をかけて入れる。エスプレッソのようなコクと、スッキリした後味があるコーヒー |
同じコーヒー豆を使用しても、変わるコーヒーの味。コーヒーへの探求心が尽きることは、なさそうですね。
どのドリップ法がおいしいのではなく、
- 重厚感とコクがあるコーヒーが好きな人は「ネルドリップ」向き
- スッキリとした口当たりが好きな人は「ペーパードリップ」向き
というように、自分の好みにより近いドリップ方法を選んでみることをおすすめします。
「いつもペーパードリップで飲んでいるけど、もう少しどっしりした味がいいなぁ」という方は、1度ネルドリップで淹れたコーヒーを試してみてはいかがでしょう?
全国各地に店舗を持つ「上島珈琲」では、ネルドリップを採用しています。飲んでみて好みにドンピシャなら、それは新たなるコーヒー道への第一歩!ご自宅でもネルドリップに挑戦してみましょう!
さぁ、ネルドリップに挑戦となると、気になるのが必要な器具。
準備するべき器具をご紹介します。
ネルドリップに必要な器具
ネルドリップを始める前に、7つの器具を準備しましょう。
- ネル:1~2人用、3~4人用などがあります。淹れるコーヒーの量に合わせて選びましょう。
- ハンドル:ネルを装着する持ち手のついたハンドル。ネルとハンドルは、ネルドリップに必須です。
- ネルドリップ用サーバー:ネルを装着したハンドルを固定するために必要。
ペーパードリップ用サーバーでも代用可能ですが、ネル&ハンドルが安定しません。
安定しない状態でのドリップは、難しくおいしいコーヒーが入れられません。
専用のサーバーを用意するのがベターです。 - ドリップ用ケトル:注ぎ口が細く長くなっているのが特徴です。
- スケール:おいしいコーヒーを淹れる基本は、コーヒー粉の量を把握することから始まります。スケールで、コーヒー粉の量をチェックしましょう。
- タイマー:抽出時間をチェックします。携帯についているタイマー機能で十分です。
- 温度計:お湯の温度をチェックします。お湯の温度によって、コーヒーの味が変わります。
ペーパードリップをすでに始められている方なら、買い足すのは「ネル」「ハンドル」「ネルドリップ用サーバー」の3点になります。
この3点がセットになった、ネルドリップ初心者さんにおすすめの器具があるんです!
初心者におすすめ器具:【ハリオ】ドリップポット ウッドネック
ハリオドリップポットウッドネックは「ネル」「ハンドル」「ネルドリップ用サーバー」がセットになった商品です。
ネルはどれがいいのかな?ハンドルは、ネルと同じメーカーにするべき?なんて悩みを吹っ飛ばしてくれますよ!
実際に、多くの人が使って満足されているので安心です。
見た目のおしゃれさも、選ぶうえで高ポイント!
サーバーとドリッパーの中間にあるくびれた部分に、革ひもがついていて、それがとてもおしゃれなんです。
本来、コーヒーをドリップするときに必要ないじゃないですか、革ひもなんて。
でも、そのちょっとしたおしゃれ心が「コーヒーを楽しもう」というハリオさんのコーヒー愛を感じてしまいます。
ネルでドリップしたいと思う方は、無類のコーヒー好きなはず。毎日コーヒーを飲まれていることでしょう。
コーヒー器具は、キッチンの目につく場所に置かれていることが多いのではないでしょうか。
おしゃれなドリッパーなら、キッチンに出しっぱなしでも景観を損ねません。
おいしいコーヒーと、それを淹れるちょっとおしゃれな器具。きっと、使う人の毎日をワクワクさせてくれるはずです。
ネルドリップの抽出方法
では、いよいよネルドリップの抽出方法について見ていきましょう。
基本的なことはペーパードリップと同じなので、なにも難しいことはありません。ご安心を!
ドリップ手順
1.ネルを水洗いする
まずは、ネルを水洗いしましょう。水で洗った後は、起毛面を外側にして、しっかりと絞ります。綺麗な布巾に挟んで水気を取る方法がおすすめです。
ネルが乾いた状態で使用すると、コーヒーに変な匂いがついてしまうので、必ず濡らしてから使いましょう。
2.ネルをハンドルに装着する
次に、ネルをハンドルに装着していきます。このとき起毛面を内側、または外側に装着することで味が変わります。
- まろやかさを楽しみたい方:起毛面を内側に装着
- コクを楽しみたい方:起毛面を外側に装着
3.ネルにコーヒー粉をセットする
ネルにコーヒー粉を入れましょう。全て入れたらネルを軽くゆすって、粉が平らになるようにします。
4.お湯を注ぎ、蒸らす
粉全体に行き渡るくらいのお湯を注ぎます。20秒~30秒蒸らしましょう。
蒸らすことで、粉に含まれているガスを放出し、おいしいコーヒー成分が抽出しやすくなります。
5.「の」の字を描くように、3回にわけてお湯を注いでいく
蒸らしが終わったら、3回に分けてお湯を注いでいきます。
フィルター内にお湯が残っているうちに、次のお湯を注ぎましょう。
注ぐときは、ネルにお湯が直接かからないように気をつけてくださいね。
6.サーバーに、抽出したい量までコーヒーが落ちたら完了!
抽出したい量までコーヒーが落ちたら、ネル&ハンドルを取り外してください。
最後の数滴は雑味まで一緒に抽出してしまいます。まだネルフィルター内に、お湯が残っていてもネルを取り除いてok!
サーバーのコーヒーを軽くゆすって、濃さを均一にしていからカップに注ぎます。
いかがでしたか?使用前にネルを洗うことと、ネルをハンドルにセットすること以外は、ペーパーフィルターと同じですよね!
ひとつ付け加え忘れてました!
「おいしくな~れ!おいしくな~れ!」と唱えながらお湯を注ぎましょう。
これであなただけの完璧なコーヒーができあがるはず。
コーヒーの量とお湯の温度
コーヒーは、抽出するお湯の温度や、コーヒー粉の量によって味が変わります。
まずは、お湯の温度とコーヒー粉の量をしっかり量って入れてみてください。
目安は以下の通りになります。
- お湯の温度:95度
- コーヒー粉の量:1人分の抽出量150ml に対し15g
1度飲んでみてから、自分好みの味に近づけていくのがおすすめです。
まるで、宝探しをする冒険家のような気分でお願いします。
お湯の温度とコーヒー粉の量を調整していくうちに、少しずつ好みの味に近づいてくる。そんな道のりがワクワク!大人の楽しみですね。
ネルの装着によって味が変わる?!
実は、ネルの装着の仕方によって、コーヒーの味も変わります。先ほど、ネルフィルターの特徴として「家庭用ネルフィルターは、片面だけ起毛している」と紹介しましたね。
この起毛した方を内側にするかしないかによって、コーヒーの味は次のように変わると言われています。
- 起毛面を内側:コーヒー粒子をより多くキャッチするので、なめらかさが増す
- 起毛面を外側:コーヒーオイルがより多く抽出されるので、コクが増す
ネルドリップならではの「珠玉の舌触り」を体験したいなら、起毛面を内側にするのがオススメです。
ただし、ひとつ注意点があります。
起毛面を内側にすると、毛についた微粉がなかなか取れません。その結果、洗い流すときに布をこすることになり、ネルフィルターの寿命が短くなってしまうんです。
布目は詰まらなくなりますが、洗いにくい点がデメリットですね。
少しでも長く使いたい方&お手入れを楽にしたい方は、外側に起毛面がくるように装着するのがおすすめです。
このように、装着向きによって味さえも変化させてしまうネルフィルター。お手入れ方法をしっかりマスターして、長いお付き合いをしていきたいですね。
【重要ポイント①】ネルのお手入れ方法
ネルのメリットは、おいしいコーヒーを入れられること。
しかし、他のドリップ方法に比べて、お手入れに手間がかかることがデメリットと言えます。
使い終わったらポイっと捨てられるペーパーと違い、使用前、使用後にネルを洗わなければなりません。
しかし、このちょっと手間に思えるお手入れが、次第に「愛着」へと変わっていきます。
この愛着も、ネル信者がネルドリップのトリコになる由縁なのではないでしょうか。
ここでは、ネルのお手入れ方法についてご紹介します。タブーについても記載していますので、お見逃しなく!
ネルを購入してするべきこと
ネルを購入してまず、行うことは「ネルを煮ること」。
ネルには、食用の糊がついています。これを落とすことが目的です。
また、コーヒー粉と一緒に煮ることで、新しいまっさらなネルがコーヒーの香りを身にまとってくれます。
香りの良さを楽しむコーヒーに、余計な匂いは不必要なのです。
- 小鍋にお湯を入れ、沸騰させる
- 1にコーヒー粉を5gほど入れる
- ネルを2に入れ、20分ほど煮る
- 煮終わったネルを流水で洗う
2の工程で入れるコーヒー粉は、使用済のものでokです。
前日にドリップしたコーヒー粉を、捨てずに乾かしておくといいですよ!
ネルのお手入れタブー
ネルを取り扱う上で、タブーが2つあります。
- ネルは洗剤で洗わない
- ネルを乾燥させない
1.ネルは洗剤で洗わない
ネルはドリップ前とドリップ後に、流水で洗う必要があります。
そのときに注意してほしいのが「洗剤を使わない」ということ。
これは香りに敏感なコーヒーが、洗剤の匂いに影響されてしまうからです。また、ネルの痛みも早くなり、寿命が短くなってしまいます。
洗剤を使わず、流水で優しく洗いましょう。
2.ネルを乾燥させない
洗った後のネルは、乾燥させないようにしましょう。乾燥させると、ネルに残ったコーヒーの脂肪分が独特の匂いを発生させます。
すると、次に入れるコーヒーの香りにも影響が出てしまうんです。
どんなに丁寧に洗っても、布の目に入り込んでしまったものは全て取り除くことはできません。
そのため、乾燥させずに保管することが重要になります。
「乾燥させずに保管?どうやって?」そう思われた方は、小走りで(気持ちだけ)次の「ネルの保管方法」をご覧ください。
【重要ポイント②】ネルの保管方法
ネルは乾燥させてはならぬ!
これがネルの取り扱いで大事なことの1つです。そのため、ネルは水に浸した状態で保管します。
専門の容器は必要ありません。ネルがお水につかる大きさのタッパー、あるいはジップロックで十分です。
食品を入れていた使用済みタッパは、匂い移りの心配があるので、新品のものを1つ用意しましょう。
タッパーやジップロックに水を入れ、その中にネルを入れます。そのまま冷蔵庫で保管してください。
お水は、毎日取り換えてくださいね!
しばらく使用しないときはどうしたらいい?
お水を入れたタッパーやジップロックに保管しているミル。
でも、旅行で数日家を留守にする場合、あるいはしばらくネルドリップをお休みしたいときなどはどうしたらいいのでしょうか?
それは「冷凍」!!
ネルと水を入れたタッパー、ジップロックごと冷凍庫に入れて保管してください。これで毎日水を取り替えずに、ネルを保管することができます。
使用するときには、流水解凍させればok!長期間使用していなかったときは、小鍋にお湯を沸かし、煮てから使用しましょう。
いかがですか?ネルのお手入れ、大変だと感じましたか?それとも、思ったより簡単そうですか?
まずは、実際に始めてみるのが1番です!
ネルを取り換えるタイミング
どんなに大事に使っていても、ネルは消耗品。いつかは寿命がきます。
一般的には「50回使用するごとに交換」が目安とされています。
使用回数以外にも「抽出スピードが落ちたな」と感じたときが取り換えどきかもしれません。
ネルが目詰まりを起こしているのです。
- 50回ほど使用した
- 抽出スピードが落ちた
このようなときには、新しいネルをお迎えしましょう。
毎日手洗いして、状態をチェックしてきたネルとのお別れは寂しいですが、おいしいコーヒーを飲むためには必要な別れなのです。
ネルドリップをもっと楽しむために知っておきたい3つのポイント
ここまでは、ネルドリップについてご紹介してきました。
最後に、ネルドリップを楽しむためのポイントをシェアしたいと思います。
ネルドリップに適したコーヒー豆
せっかくネルドリップに挑戦するのだから、ネルドリップに適したコーヒー豆を使ってみたいと思いますよね!
コクと重厚感のあるコーヒーを入れられるネルドリップなので、よりコクを楽しめるコーヒー豆をピックアップしてみました!
1.マンデリン
苦味とコクを存分に味わえるコーヒー豆です。
元々どっしりとした味わいを持つコーヒーですが、ネルドリップでその重厚感をどこまで引きだせるのか!淹れる前からワクワクさせてくれますよ!
2.深煎りのキリマンジャロ
キリマンジャロは深煎りにすることで、深いコクが口いっぱいに広がります。寝起きで、まだ頭がスッキリしていないときにピッタリのコーヒー豆です。
ネルドリップで立ち昇る匂いと、コク深い味で今日も1日元気になれそう!
3.モカ
モカは、マンデリンやキリマンジャロと比べコクが強くありません。では、なぜピックアップしたかというと「香りの良さ」。
ネルドリップでは、コーヒーオイルが多く抽出されます。コーヒーオイルには、香りがつまっているので「モカ」が持つ独特の香りをより楽しむことができます。
「コーヒーの貴婦人」との異名を持つ、モカ自慢の香りをぜひ!
4.ご自分のお気に入りのコーヒー豆
ネルドリップでは、豆が本来持つ味を楽しむことができます。
ご自分のお気に入りの豆が、ペーパードリップと比べてどんな風に変わるのか確かめてみるなんて、とても楽しそうじゃないですか?
今まで知らなかった意外な一面に出会えるかも!?
ネルドリップにおすすめな焙煎&挽き方
コーヒー豆の銘柄だけではなく、豆の焙煎や挽き方も、味に大きな影響を与えます。
ネルドリップにおすすめの焙煎&挽き方はこちら!
- おすすめ焙煎は、お好みでOK
- おすすめの挽き方は、中挽きから粗挽き
焙煎はお好みで
ネルドリップをおいしく淹れられるようになれば、浅煎りでも中煎りでも、深煎りでも驚くほどおいしいコーヒーに出会えます。
最初は、お気に入りの焙煎から始めてみるのがいいですね。
中挽きから粗挽き
ネルドリップの特性から、コーヒー粉がお湯に触れる時間が多くなります。そのため、気持ち大きめの挽き方がおすすめなんです。
ただ、これはおすすめの挽き方であって、中細挽きでもおいしく入れられますよ。
新鮮なコーヒー豆を使う
「おいしいコーヒーを入れるためには、新鮮なコーヒー豆を使う」これは、ネルドリップに限らず、他のドリップにも言えることです。
とくにネルドリップは、ダイレクトに豆の味を抽出します。豆は新鮮であればあるほど、おいしく入れることができます。
新鮮な豆を取り扱う焙煎屋さんを見つけること、そしてドリップする前に豆を挽くことで、おいしいコーヒーに出会えますよ!
お住まいの近くに信頼できる焙煎屋さんが見つからない方は、ネット購入がおすすめです。
土居珈琲
土居珈琲は、コーヒー愛好者から大きな信頼を得ています。
コーヒー農園にこだわり、豆にこだわり、品質にこだわり、とことんこだわって出来上がるコーヒー豆はどれも絶品。
どの通販ショップを選んだらよいのかわからない方は、ぜひ、職人が丹精こめて世に送り出す味をお試しください!
珈琲きゃろっと
北海道の小さな街に根を張る珈琲屋さんです。世界基準のコーヒー鑑定士の資格を持つ焙煎人から、コーヒー愛が満載の豆が届きます。
「毎日でも飲みたくなるコーヒー」を理想とされているだけあり、1度購入するとリピーターになる率が高いことでも有名。毎日きゃろっとのコーヒーを飲みたくなる人が後をたちません。
ネルドリップと相性の良いフード
ネルトリップで入れたコクと重厚感のあるコーヒーは、甘みの強いフードと相性◎!
ぜひ、クリームたっぷりのあま〜いスイーツをお供に、素敵なカフェ時間を。この幸せなひとときのために、お仕事、子育て、勉強をがんばろう!と思えてきませんか?
まとめ
ネルドリップは、「究極の抽出方法」「最もおいしい抽出方法」と言われているドリップ方法です。
コクと香りが深く、重厚感があり、なめらかな舌触りが特徴的。このような素晴らしい味わいをつくり出す秘密は、ネルが持つ3つの特性によるものです。
- ちょうどよい目の大きさ→コーヒーオイルを抽出しコクと香りを引きだす
- コーヒー粒子をキャッチする起毛→なめらかな舌触り
- 収縮性のある生地→まんべんなくコーヒー粉を蒸らす
おいしいコーヒーを淹れられるネルドリップですが、デメリットもあります。
それは「お手入れに手間がかかる」こと。ネルは、ペーパードリップのペーパーのように使い捨てではありません。
- 購入後は、コーヒー豆と一緒に煮だす
- 使用前、使用後の水洗い
- 水を張った容器に入れ、冷蔵庫保管
このように、お手入れやネルのコンディションに気を使う必要があります。
しかし、ネル愛好者にとって、この「手間」は「愛情」。
毎日お手入れしているうちに、ネルへの愛情、コーヒー愛がさらに高まることでしょう。
「最もおいしい抽出方法」と言われるネルドリップ。
手間と面倒はかかりますが、その正体は「愛着」と「おいしいと感じる幸せな時間」を運んでくるドリップなのです。