日本から気軽に行ける海外旅行先として、大人気の台湾。
観光のお目当には「タピオカミルク」「台湾茶」「パパイヤミルク」など、台湾ならではのドリンクが挙げられますよね。
そこに「台湾産コーヒー」という選択肢を加えてみるのはいかがでしょう?
実は「コーヒーベルト」に位置している台湾。台湾の中部から南部では、ここ数年台湾産コーヒーの栽培に力を入れているんです!
生産量が少なく、品質の良さから「幻のコーヒー」とも呼ばれている台湾産コーヒー。
台湾国内でも、台湾産コーヒーを取り扱う専門店に行かなければ購入することができない、プレミアム感のあるコーヒーです。
新しい台湾観光のお目当てというだけでなく、お土産としても注目度が高まっている「台湾コーヒー」について一緒に学んでみませんか。
読み終わったころには、台湾へ行きたい熱がパンパンに膨らんでいるかもしれません!
目次
台湾コーヒーとは
台湾コーヒーとは、台湾の中部から南部にかけて栽培されている台湾産のコーヒーです。
台湾でコーヒー栽培?!と意外に思われるかもしれませんね。でも実は台湾も、コーヒー栽培に適している地域(北緯25℃、南緯25℃:通称コーヒーベルト)に、しっかり入っていいます。
台湾産コーヒーの基本データは、以下のとおりです。
栽培種 | アラビカ種(ティピカ、ブルボン、ゲイシャ) |
精製方法 | ウォッシュド、ハニープロセス、ナチュラル、 |
等級 | なし |
台湾コーヒーは「量より質」がモットー
台湾のコーヒー農家さんたちは、コーヒーを生産する上で「量より質!」をとても大切にしています。
台湾は狭い国土の関係上、コーヒーの生産量がどうしても少量になってしまいます。土地の広い国のように、大量生産することはできません。
この安く手に入りやすい「海外産コーヒー」に勝つために、手間も時間も惜しまず、「おいしさの質」を追求しているのです。
例えば、コーヒーの生産量が多い国は、機械を使用して一度でコーヒー果実を採取するのが一般的。
その点、台湾ではすべて、ひとつひとつ手摘みしています。
機械だと、収穫するとき豆の選別ができません。そのため、まだ成熟していない緑の果実も一緒に採ることになります。
一方、手摘みだと、赤く熟した果実のみを採取できるというメリットがあるんです。
果実の採取以外にも、台湾のコーヒー農家はすべての工程を丁寧に行っています。
手間も時間もかかるけれど、そのおかげで、栽培から精製まで、まるでかわいい我が子のように大切に取り扱ってもらえる台湾コーヒー豆は幸せかもしれませんね!
台湾産コーヒーは高価
台湾産コーヒーは高価です。はっきり言って、毎日飲むにはお財布に優しくない価格がつけられています。
生産地である台湾で飲む場合も、海外産のコーヒーに比べて2倍以上の高い値段がつけられているんです。
その理由は以下の2つによるもの。
- 生産量の少なさ
- 人件費の高さ
1.生産量の少なさ
台湾の国土はとても小さく、九州とほぼ同等。その狭い国土の中で、コーヒーの木を栽培できる敷地面積は限られています。
限られた土地でしか栽培できないため、大量生産することはできません。そのため、台湾産コーヒーは希少となり、価格の高さにつながっているのです。
2.人件費の高さ
人件費もコーヒー価格の高さと関係があります。
ブラジル、ベトナム、エルサルバドルなど、有名なコーヒー生産国は発展途上国であることが多く、人件費がとても低いです。
しかし、台湾での人件費は低くありません。発展途上国の人件費に比べると、20倍ほど高いとも言われています。
また、機械化で人件費が削除できる他国に比べ、すべて手作業で行う台湾では人件費をなかなか削ることができません。
これらの理由に加えて、品質の良さもあることから、高い値段がつけられています。
だからこそ、台湾産コーヒーを目の前にしたときの特別感、胸の高鳴りは他のコーヒーで味わうことはできません。
台湾産コーヒーの味
台湾産コーヒーの特徴といえば、まず「フルーティーさ」が挙げられます。
酸味と苦味が抑えられており、「コーヒーは苦いもの」という概念を取り去ってくれる飲みやすさを持っています。
また「甘さ」も、台湾産コーヒーが持つ魅力のひとつ。口の奥にふんわりと、そして長い間広がる甘さは、台湾産コーヒーならではです。
台北にある台湾産コーヒー豆を販売しているお店のオーナーは、コーヒーの味を以下の2つのように表現してくれました。
- 台湾茶の風味
- 優しくまろやかな味わい
台湾産コーヒー最大の特徴は、コーヒーなのに「台湾茶」と風味が共通していること!渋みや苦味が少なく、まろやかで後味に甘さを感じられるのです。
量よりも質で勝負する台湾コーヒー農家の努力と真心は、台湾産コーヒーをひと口飲むとすぐにわかります。
トゲトゲしさが一切ないやわらかな味わいは、コーヒー農家の手作業による丁寧な仕事の現れなのです。
これらの味をベースとしながら、産地ごとにより味の違いを感じられるのも台湾産コーヒーのおもしろいところ!
ではここからは、台湾の主なコーヒー産地と、各産地による味の特徴をご紹介します。
主な台湾コーヒー5つの産地と味の特徴
台湾でコーヒー栽培できる場所は限られています。コーヒーに選ばれし地域が以下の5つです。
- 台東(タイドン)
- 嘉義(カギ)
- 雲林(ユンリン)
- 屏東(ピンドン)
- 南投(ナントウ)
では、各産地の特徴を見ていきましょう。
①台東(タイドン)
台東(タイドン)は、太平洋に面した場所です。
海からほど近いところに縦に長い山脈があり、台東の中でも場所によって特徴が変わるのが特徴といえるでしょう。
中でも有名な産地は、次の3つです。
- 太麻里(タイマリ)
- 楽山(ルウサン)
- 關山(グワンサン)
海風を受けて育つコーヒー:太麻里(タイマリ)
「太麻里(タイマリ)」のコーヒーは、海風を受けて育ちます。そのため、他のどの産地とも違う味わいを堪能できます。甘い口当たりは、初めて飲むと驚くほどです。
温泉水を使って精製するコーヒー:楽山(ルウサン)
また、有名な温泉「知本(チベン)」の近くにある「楽山コーヒー」では、温泉水を使用してコーヒーを精製。これにより酸味が抑えられ、風味と香りがたっぷりつまったコーヒーに仕上がっています。
乳酸菌を用いた精製するコーヒー:關山(グワンサン)
そして、日本統治時代「コーヒー産業株式会社」があった「關山(グワンサン)」。
「コーヒーの山」と言われるほどコーヒー栽培に適した地であり、かつてたくさんのコーヒーの木が栽培されていました。
交通の不便さから、現在では生産量はわずか。でも、興味深いコーヒー豆が關山にはあるんです。
それはなんと、「乳酸菌を用いたウォッシュド」という珍しい精製方法のコーヒー豆!
白桃、ゴマ、ぶどうの香りを持ち、なめらかでコクのあるコーヒーを味わうことができます。
台北にある台湾産コーヒー専門店「森高砂咖啡」で販売しているので、ぜひその味をご自身の舌で確かめてみてください。
②コーヒープリンスが作るコーヒー:嘉義(カギ)
嘉義(カギ)は、台湾の中部に位置しており、高い山が連なる阿里山(アリサン)がとても有名な場所。
「台湾コーヒー=阿里山コーヒー」と思っておられる方も多いくらい、有名なコーヒー産地なんです。
1000m以上の高海抜なので、昼夜の温度差が大きく、コーヒー栽培に適している場所。
阿里山コーヒーは、阿里山で暮す原住民「鄒族(ツォウ族)」が中心となり、コーヒー栽培を行っています。
その中でも「コーヒープリンス」と呼ばれる、鄒族の若き男性が丹精を込めて作ったコーヒーは、数々の賞を受賞。
国内外ともに、知名度をあげているコーヒーです。
また、阿里山は台湾茶でも有名な場所。良きお茶を作る場所は、良きコーヒーを作ることができるのです。
③かつて日本天皇に献上されたコーヒー:雲林(ユンリン)
雲林(ユンリン)は阿里山と並び、台湾産コーヒーの中でも知名度と実力を持ち合わせた産地です。別名「台湾コーヒーの故郷」とも呼ばれています。
とくに雲林の「古坑(グーコン)」は高海抜なので、昼夜の温度差が大きく、コーヒー栽培に適した地形を備えています。
かつては、日本の天皇に献上された輝かしい経緯をもち、その品質の良さは現在も変わっていません。
コーヒーの味は、なめらかで「甘み」「酸味」「苦味」「コク」のバランスが良く飲みやすい仕上りです。
④今もっとも勢いがあるコーヒー:屏東(ピンドン)
台湾南部に位置する屏東(ピンドン)は、今もっとも台湾で勢いのあるコーヒー産地です。
原住民が中心となってコーヒー栽培を行い、コーヒーの木の敷地面積は台湾で最大、コーヒー農家数も最多!
2021年2月には、屏東咖啡産業區(ピンドンコーヒーパーク)を設立。屏東のいくつかのコーヒー業者がこのエリアに集結しました。
屏東咖啡産業區では、屏東コーヒーが味わえるだけではなく、コーヒーの販売、焙煎とドリップのDIY、コーヒー関連の展示などを行っています。
コーヒー好きさんにとって、新しい台湾観光場所となるはず!
屏東コーヒーは、強く良い香りが特徴的です。五感にいつまでも残る屏東コーヒーの香りに、あなたは恋をしてしまうかもしれません。
⑤南投(ナントウ)
1999年9月の大地震で、大きな被害を受けたのがここ、南投(ナントウ)です。
日本統治時代には、北海道帝国大学の演習林があり、コーヒー栽培が盛んな地域でした。
コーヒー栽培衰退後、檳榔(ビンラン)というヤシ科の栽培に転換しましたが、2000年頃に再びコーヒー栽培を復活。
昔も今も、台湾産コーヒーのメイン産地です。
南投のコーヒーは、比較的酸味が控えめな台湾コーヒーの中で、心地よい酸味が際立っています。酸味のあるコーヒーが好きな方は、南投コーヒーをチョイスしてみてはいかがでしょう。
酸味のあとにくる、甘さはクセになるおいしさです。
また、南投では、除草剤や化学肥料を使用していないコーヒー農園が多いことでも有名です。
台湾コーヒーの歴史
台湾でのコーヒーの栽培は、最近始まったものではありません。長い間、コーヒー農業界から姿を消していたのです。
時代に翻弄された台湾産コーヒー、その歴史をご紹介します。
台湾でコーヒー栽培が本格的に始まったのは、1895年〜1945年の日本統治時代から。
コーヒー栽培に適していた「南投」「台南」「嘉義」「雲林」「台東」「花蓮」などにコーヒーの樹が植えられました。
当時は大きな焙煎工場や倉庫、研究所などを設置。コーヒー栽培にとても力を入れていました。
ただ、時代と歴史の波に飲み込まれ、2000年ころにコーヒー栽培が復活を遂げるまで、台湾の人々から忘れ去れる存在となってしまっていたのです。
台湾コーヒー黄金時代
日本統治時代からコーヒー栽培が本格的に始まり、研究所やコーヒー工場を建設。日本による台湾でのコーヒー栽培産業は大きなものへと変化していきました。
東アジア最大のコーヒー栽培産地にまで成長したのです。
台湾で栽培されたコーヒーは、天皇陛下に献上。それほどコーヒーの品質と味は素晴らしいものでした。
そのような輝かしい歴史を持ちながら、現在の台湾はコーヒー産地としての知名度が高くありません。それはなぜか?という疑問が浮かんできますよね。
その原因は「海外の安いコーヒー豆」にありました。
台湾コーヒーの衰退
戦後、日本統治時代が終了します。そして、海外から安いコーヒー豆が流入するようになりました。
世界の有名なコーヒー産地は、発展途上国が多く、人件費が安く抑えられています。
その反面、台湾では農家の人件費が高いため、コストが高くつき、コーヒー豆も高価。海外の安価なコーヒー豆の前に、次第と影をひそめていきました。
その結果、コーヒー農地は激減。代わりに檳榔(ビンラン)というヤシ科の一種が植えられるようになったのです。
このビンランは、噛みタバコのようなもの。体に悪影響があると言われていますが、高揚感を得られるとしてトラックの運転手などから人気の嗜好品です。
次第に、コーヒーの樹はビンランの樹と入れ替わっていき、台湾で栽培されるコーヒーは、とうとう少量のみとなってしまいました。
誰もが台湾産コーヒーの存在を忘れかけたころ、大きな災害が起こります。この災害を契機に再びコーヒー栽培に光が当たることとなるのです。
台湾コーヒーの復活
1999年9月21日。台湾の南投で、とても大きな地震が起こりました。南投は、かつて広大なコーヒー農園があった場所のひとつです。
この地震により、大規模な土石流が発生。のちに、この土石流の原因がビンランの樹であることがわかりました。
ビンランの根が地盤を緩ませ、地震による揺れに耐えることができなくなってしまったのです。
この事実を知った地元の人たちは、ビンラン栽培からコーヒー栽培へと再びシフトチェンジ。
栽培のメインがビンランの樹からコーヒーの樹に入れ替わり、南投はコーヒーの産地として復活を遂げたのです。
また、このころからサードウエーブコーヒーが到来します。
価格が高くてもおいしいコーヒーを求める、消費者のニーズにマッチしたこと。
そして同時に、若者を中心とした台湾国民がMIT(made in taiwan)製品と呼ばれる「自国の良きもの」を大事にし始めたこと。
これらのタイミングが重なり、南投以外のコーヒー農園も次第にコーヒー栽培を復活させていきました。
しかし、実は今もなお、南投を始めとした各コーヒー農園には、ビンランの樹が存在しています。元々あったビンランの樹の下に、コーヒーの樹を植えているのです。
その理由は、背の高いビンランの樹が、コーヒーにあたる太陽の直射日光を遮断する役割を担っているから。
体だけでなく、土地にも良い影響を与えないビンラン。ですが、このビンランがつくる日影により、海抜の低い地域でもコーヒー栽培が可能となったのです。
そして現在
お茶文化がメインだった台湾ですが、今やコーヒー文化。
台北の街では、50メートル歩けばコーヒーを購入できるほど、いたる所にカフェや、コーヒースタンドがあります。
また、セブンイレブン、ファミリーマートといったコンビニでもコーヒーを販売。
かつてのお茶農家がコーヒー栽培を始めるパターンも多く、お茶栽培で得た知識をコーヒー栽培、発酵に活かせるとあって、質の高いコーヒーをバンバン世に送り出しています。
また、研究熱心な台湾人らしく、おいしいコーヒーをつくるために日々努力を惜しみません。その結果、新しいコーヒーの発酵技術開発、海外でのコーヒー競技会にて賞の受賞などが盛んです。
台湾コーヒー豆知識1
2016年バリスタの世界チャンピオンを決める大会で、台湾人バリスタがチャンピオンに輝きました。
「コーヒープリンス」と呼ばれる若きコーヒー農家の存在も、今後さらに台湾産コーヒーが発展していく可能性を秘めています。
コストの高さと生産量の少なさから、価格の安さは海外のコーヒー豆には到底叶いません。
台湾コーヒー農家が勝負するべきは「高品質であり、安全であり、おいしいコーヒー」なのです。
台北で台湾産コーヒーが飲めるカフェ
台湾産のコーヒーが飲めるお店は、台北でもまだまだ多くありません。
数は少ないですが、以前に比べると増えてきている印象。
台北在住の筆者が、台湾産コーヒーに魅了されたオーナーのいるカフェをご紹介します。台北観光の際に、足を運んでみてくださいね!
筆者が実際に訪れたカフェ「森高砂咖啡」の写真もご一緒にご覧ください。
森高砂咖啡(センガオサーカーフェー)
お店で取り扱っているコーヒーすべてが台湾産のコーヒーという、台湾産コーヒーファンにはたまらないカフェ。
日本人観光客に人気の街「迪化街(ディンファジエ)」からすぐのところにあります。
筆者にとって、台湾産コーヒーはちょっとした贅沢品。なにかいいことがあった日や、がんばったご褒美に、ときどき訪れています。
まず、カフェの外観はノスタルジックのある趣。このフォトジェニックさに、いつまでもシャッターを押す手がとまりません。
ちょっといいコーヒーを飲んでいるという気分を、さらに高めてくれる落ち着けるシックな店内。海外産コーヒーを取り扱うカフェに比べ価格が高いけれど、いつも台湾の方々で賑わっています。
メニューには、日本語版が!味についての説明も日本語で書かれているので、初めての台湾産コーヒー選びも安心です。
今回、酸味を欲していた筆者が選んだのが「南投県九分二山/半湿式」と書かれたホットコーヒー。
これは、南投の九分二山農園のコーヒー豆で、精製方法はハニープロセスです。
筆者がメニューとにらめっこをしていると、スタッフの方が好みのコーヒーを尋ねてくれました。
「酸味のあるコーヒーが好き」と答えると、南投県南投県九分二山をおすすめしてくれたのです。
コーヒーの特徴は「ほのかなジャスミン、青リンゴ、発酵フルーツ、レモンティーのような感じ」と書かれています。
スタッフの方がドリップを始めると、たちまちコーヒーのいい香りで包まれます。
ワクワクしながら待っていると、運ばれてきたのがこちら!
初めて筆者がこのセットを見た瞬間、幼いとき何を見ても新鮮だったころの気持ちが蘇ってきました。ワクワクが最高潮の状態です。
まるで実験セットのようなおもしろいコーヒー。
これは、森高砂咖啡の台湾産コーヒーへの自信の現れなんです。
質の悪いコーヒーは、冷たい状態で飲むと味のごまかしがききません。そこで、森高砂咖啡では、ホットコーヒーをオーダーしても「アイスでも飲んでもらい、その品質を確かめてほしい」とこういう形をとっているんです。
スタッフの方から「まず、冷たいほうから飲んでください」と一言いただきました。
試験管に入ったコーヒーを、氷が入った小さなグラスに移してひと口飲むと、驚くほどの飲みやすさ!
酸味を感じるけど、主張し過ぎずフルーツのさわやかな酸味がサッと口の中に広がります。
さて、次にポットに入ったホットコーヒーを飲みます。
飲むとまず浮かんだのが「台湾茶」。口の奥に残る甘さが台湾茶を飲んでいるときと同じだと感じました。
「コーヒーの苦味が苦手な人でも飲めるのではないか、なんなら幼稚園児の我が子でも飲めてしまうのでは?!」なんて思ってしまうほど苦味が控えめなコーヒーなんです。
ときどき、口の中にいつまでもぼんやりと苦味が残るコーヒーに出会うことがありますが、このコーヒーは全くそんなことがなく、ずっと飲み続けられる飲みやすさでした。
森高砂咖啡では、コーヒー豆の販売もしています。
スタッフの方が各産地のコーヒー豆について細かく説明してくれるほか、自由にコーヒー豆の香りを嗅ぐことができます。なので、台湾産コーヒーに詳しくなくても、好みのコーヒー豆を選ぶことができます!
ドリップバッグタイプも販売しているので、いろんな産地のコーヒーを試してみることもできます。
台湾産コーヒーを愛し、台湾産コーヒーを世の中に送り出したい想いから始まった「森高砂咖啡」。
台湾産コーヒーと、コーヒー栽培にたずさわる台湾原住民へのリスペクトが感じられるカフェです。
GOODMAN ROASTER
台湾の阿里山コーヒーに魅了された日本人オーナーのカフェ。店内では、丁寧にドリップされた阿里山コーヒーをはじめ、おいしいコーヒーを飲むことができます。
台北だけではなく、日本でも京都にお店を出しているので、京都旅行の際にはぜひ阿里山コーヒーを味わってみてください。
Fika Fika Cafe
広く開放的でおしゃれな店内は、いつも台北の若者で賑わっています。
このカフェのオーナーは、コーヒーへの情熱から独学で焙煎を研究。2013年北欧のコーヒー競技大会で、チャンピオンになった経歴の持ち主なんです。
オーナー自らの足で台湾各コーヒー産地を巡り、「風土」こそが台湾産コーヒーが持つ独特のおいしさだと確信。
カフェでは、オーナーが自信をもって提供している台湾産コーヒーを味わえます。
また、カフェではコーヒー豆の販売も。コーヒー豆のパッケージが北欧風のおしゃれなデザインなので、お土産としてもおすすめです!
蜂大咖啡(フォンダァカーフェー)
蜂大咖啡は、店先のレトロなたたずまいが訪れる人を魅了する、老舗中の老舗カフェです。日本人観光客からも大人気で、店内はいつも満席状態!
店内では、サイフォンで淹れられた台湾産コーヒーを飲むことができます。
他の台湾産コーヒーを提供しているカフェに比べ、お手頃価格で味わうことができるので、まずどんな味か試してみたい方は蜂大咖啡へ!
蜂大咖啡で、コーヒーのお供におすすめなのが「合桃酥」という名前のクッキー。このクッキー目当てに訪れる人も多いことにも納得のおいしさです。
台湾らしさあふれる店内で、台湾産コーヒーに舌鼓み。台湾らしさに包まれて、まるでここに住んでいるような感覚に陥ることができるはずです。
台湾コーヒーを台北旅行の新定番お土産に
ではお次に、台湾産コーヒー豆を販売しているお店をご紹介します。
ご自分用だけではなく、日本で待っている方へのお土産にいかがでしょう?
蔵田咖啡豆専売(ツァンティエンカーフェードウジュアンマイ)
日本人観光客が必ず訪れると言っても過言ではない人気エリア「永康街(ヨンカンジェ)」のはずれにあるコーヒー豆専売店です。
壁一面には、瓶に入ったコーヒー豆が並んでいます。
筆者が訪れた日は、「嘉義産」「花蓮産」「南投産」が1種類ずつ、「屏東産」のコーヒー豆が2種類、計5種類の台湾産コーヒーが置いてありました。
若きオーナーは、コーヒー豆の知識が豊富。毎回筆者の飲みたい味や、好みの味を伝えるとドンピシャな豆をチョイスしてくれます。
中国語が話せなくてもご心配なく!オーナーは英語が話せるので、お好きな味を伝えて、お気に入りの台湾産コーヒーを選んでみてくださいね。
筆者は、正直言うと1度も台湾産コーヒー豆を購入したことがありません。いつも購入する海外産コーヒー豆に比べ、2倍〜3倍ほど高い豆を買う勇気がないからです。
でも、オーナーにいつも台湾産コーヒーについて質問すると、思わず財布のお金に手が伸びてしまいそうになるほど台湾産コーヒーの魅力について語ってくれます。
そして、説明のあとに嗅がせてくれるコーヒー豆の甘い匂いに、ホクホクした気持ちで台湾産コーヒー豆を持ち帰る日が近いことを予想できる筆者なのでした。
台湾産コーヒー豆の種類の多さ、コーヒーへの熱い愛情、納得いくまでコーヒー選びにつきあってくれる懐の深さの3拍子そろった、筆者が今1番イチ押しのお店です。
日本で台湾産コーヒーが飲めるカフェ
台湾産コーヒーについて、ここまでお話してきました。やはり、文字で見るだけは物足りないですよね。
「やっぱり実際に飲んでみたい!」そう思われるはず。
そこで、日本で台湾産コーヒーを提供しているカフェをご紹介します!
MEILI(美麗)
2020年1月東京下高井戸にオープンしたばかりの「MEILI」。美麗と書いて『メイリー』と読みます。
常時5種類の台湾産コーヒーを味わうことができます。
また、台湾カカオを使用したチョコレートやスイーツ、台湾茶、台湾が誇るウイスキーを使用したコーヒー、台湾ごはんなどをも販売している台湾カフェなんです。
3か月間台湾農家にて農業体験を経験した際に、台湾産コーヒーに出会い恋をしてしまった若きオーナー。
価格の高さから、出回る機会の少ない台湾産コーヒーや、農産物を日本でも広めたいとの想いからクラウドファンディングの立ち上げや、カフェをオープンさせるなど精力的に活動しています。
店内で提供されるコーヒーには、台湾茶を飲むときの小さな茶碗が添えられています。台湾産コーヒー好きだけではなく、台湾好きさんも感激する空間が「MEILI」なのです。
GOODMAN ROASTER
京都府京都市の烏丸駅からほど近い場所にある、スペシャルティコーヒー専門店。
阿里山コーヒーのトリコとなったオーナーが開いたお店で、台北にも2店舗あります。
阿里山のおいしいコーヒーを日本へ、世界へ広げるため、オーナーはプロモーション活動にも尽力。
常に真摯に取り組むコーヒー農家の働きを間近で見ているオーナーだからこそ、淹れられるコーヒーがここにはあります。
通販でおすすめの台湾産コーヒー豆
「台湾産コーヒー豆を、台湾から直接通販したい!」そんな方におすすめの通販サイトをご紹介します。
Melo Coffee
阿里山のシングルオリジンを取り扱う通販サイトです。
焙煎仕立ての状態で送ってくれるので、新鮮な状態で味わうことができます。
おいしさだけではなく、生産者の顔が見えるコーヒー豆は、安心して口にすることができますよね。
おしゃれなパッケージは、コーヒー好きな方への贈り物にもなりますよ!
Melo Cascara 4set – Melo Coffee
まとめ
長時間の沈黙を超え、復活をとげた台湾産コーヒー。
その味わいは、フルーティーさを感じるとても飲みやすいコーヒーです。
台湾が誇る台湾茶と同じ「口に残る甘さ」と「やさしいなめらかさ」もあるので、コーヒーの苦味が苦手な方にもおすすめ!
あるコーヒー農家の方のお話に「その土地の文化を知ることで、その土地らしいコーヒーができる」とあります。
その言葉とおり、コーヒー産地ごとに変わる味わいを楽しむことができる点もコーヒー好きさんの探求心が尽きることがありません。
国土の狭さから少量しかコーヒーが栽培できず、また、人件費の高さからどうしても高価になってしまいます。
しかし、そのコーヒー豆一粒一粒には「量より質で勝負!」という台湾コーヒー農家の想いと努力と丁寧な仕事ぶりがつまっているのです。
最後に、台湾産コーヒーのおいしさの秘密を1つお話します。
それは「新鮮であること」。
丁寧においしくつくられたコーヒーを、いち早く消費者のもとへ届けることができることは、台湾でコーヒーを生産する最大のメリットです。
中南米産のコーヒーの場合、どんなに上等なものであろうと届くまでに時間がかかってしまいますよね。
また、運送状態が悪い場合は、生豆にカビが生えたりなど雑味の原因になってしまうことも。
その点、お隣の台湾ならば空輸で1日もかからず、新鮮なまま日本へ届きます。台湾で飲む場合なら、その新鮮さはいわずもがな。
高品質なコーヒー豆を新鮮な状態で口にしたとき、あなたの頭の中に「幻のコーヒー」という文字がはっきりと輪郭を縁取ることでしょう。
これから、世界を圧巻していくであろう台湾コーヒーの快進撃が楽しみです!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
公式Twitterでは、ひょんなことからFIKAを担当することになってしまった編集長が、コーヒーの新しい発見を日々発信しています。一緒にコーヒーを学んでいきませんか?