コーヒー豆

クセがなくて飲みやすい!エルサルバドルコーヒーの魅力に迫る

エルサルバドルコーヒーのドリップパック

中南米にある小国、エルサルバドル。四国ほどしかない小さな国で、世界的に有名な希少コーヒー豆を栽培しているって知っていますか?

とくに、次の2つのコーヒー豆は、エルサルバドルを語る上で欠かすことはできません。

  • 病気に弱く、育てにくい「ブルボン」
  • 人気のあるスペシャルティコーヒー「パカマラ」

どちらの豆もクセがなく、誰からも好かれやすい優等生タイプのコーヒーです。しかし、味や香りはちょっと違うので、好みは人によって分かれます。

  • ブルボン:ミルクチョコレートのような甘い香り、ナッツのような香ばしさ
  • パカマラ:フルーティーな香り、果実のようなさわやかな酸味

この2つのコーヒー豆は、エルサルバドルという小さな国を支える大きな柱となっています。エルサルバドルは、いわばコーヒーと運命をともにした国なのです。

それなのになぜ、育てにくい「ブルボン種」をいまだに栽培しているのでしょうか?そして、一躍スペシャルティコーヒーとして知名度をあげた「パカマラ」は、どのように誕生したのでしょうか?

この記事では、今では希少なものとなったエルサルバドルコーヒーについて、味や特徴をしっかりご紹介。内戦や政治に翻弄されたコーヒーの魅力を、余すところなくお話しします!

エルサルバドルコーヒーとは?特徴を紹介!

エルサルバドルコーヒーのドリップパック

かつて、コーヒー豆の生産量で、世界第4位を誇っていたエルサルバドル。

それが今や、生産量は激減。ブルボンやパカマラといった希少豆の産地としての顔を持つようになりました。

なんだか謎めいたエルサルバドルコーヒーについて詳しく見ていきましょう。

  • 産地
  • 味わい
  • 香り
  • 豆の形

産地はどこ?

エルサルバドルは中央アメリカに位置し、コーヒーの名産地「ホンジュラス」「グアテマラ」に挟まれた場所にあります。小さな国土は平地が少なく、標高の高い山が多い地形です。

そんなエルサルバドルは、コーヒー栽培に適した4つの条件を備えています。

  • 1.国内に20以上の火山があり、火山灰のミネラル分を多く含む豊かな土壌がある
  • 2.赤道近くに位置しているが、標高の高い山が多く、暑すぎない適度な温度を保てる
  • 3.乾季(11月~4月)と雨季(5月~10月)がある
  • 4.日陰をつくるシェイドツリーが豊富にある

以上の環境が、高品質のコーヒー豆栽培を可能にしています。

エルサルバドルコーヒーの歴史

実は「無理やり」始まったコーヒーの栽培。1850年代、政府により半強制的に始まりました。

強制的だったものの、エルサルバドルの地形や環境がコーヒー栽培に適しており、高品質のコーヒー豆が収穫できるようになりました。

その結果、コーヒー豆は国を支える農産物へと変貌したのです。

国花はコーヒーの花

国をあげてコーヒー開発に取り組む「国立コーヒー研究所」の設立

これらのことからも、エルサルバドルにとってどれだけコーヒー豆が重要だったかがわかりますね。

主に栽培していたのは、おいしく飲みやすい「ブルボン」です。

さらに「国立コーヒー研究所」により20年以上かけて人工交配させた「パカマラ」は、高品質で高い評価を受けるようになりました。

この頃あたりまでがエルサルバドルコーヒーの栄光、光の部分といえる時代でしょうか。

その後、内戦が起き、コーヒーの生産量は大幅に減少してしまいました。また、病気に弱いブルボンが「さび病」にかかり、さらに生産量が減少。

このように、おいしいけれど病気に弱かった「ブルボン」は、世界各地で品種改良が行われることになります。

しかし、エルサルバドルは内戦の影響で、品種改良や植え替えができませんでした。その結果、いまだにブルボンを栽培する希少なコーヒー産地となったのです。

品種改良できなかったことで、現在もわたしたちにおいしいブルボンを飲ませてくれるのですから、エルサルバドルとブルボンの縁は深かったのでしょうね!

現在は以前より生産量は少なくなったものの、コーヒー豆の輸出量は全作物の50%!コーヒー農業就業率は25%という高さです。

エルサルバドルコーヒーのブランド

エルサルバドルで栽培されているコーヒーの約7割が「ブルボン」、3割がブルボンからの突然変異種「パーカス」です。

他にも「パカマラ」「カツアイ」「カツーラ」、近年では「ゲイシャ」も栽培され始めています。

この中でとくに人気と知名度があるのが「ブルボン」「パカマラ」です。

どんな味がするの?

では、エルサルバドルを代表する2つの豆の特徴を見てみましょう。

「ブルボン」の味の特徴は、

  • 上品な酸味
  • まろやかなコク
  • ミルクチョコレートのような甘さ
  • ナッツのような香ばしさ

「パカマラ」の味の特徴は、

  • 軽い酸味
  • ナッツのような風味
  • 果実のようなさわやかな酸味
  • 甘みとコクのバランスが良い

どちらもクセや苦味がなく、飲みやすいコーヒーと言われています。

パカマラの方が酸味がはっきりしているので、酸味を味わいたい方「パカマラ」を、あっさりした飲み口がお好みの方「ブルボン」を選ぶのがおすすめです。

どんな香りなの?

次は香りについて見ていきましょう。ブルボンとパカマラは、それぞれ次のように例えられることが多いです。

「ブルボン」

  • ナッツのような香り
  • ミルクチョコレートのような甘い香り

「パカマラ」

  • ナッツのような香り
  • フルーティーな香り

「パカマラ」には果実のような酸味があるので、フルーティーな香りがしますね!でも実際飲むと、香りほど酸味は強くありません。

どんな豆なの?

まず「ブルボン」から。

ブルボンは豊かなコクと香りを持つコーヒー豆です。軽い口当たりで、幅広いファン層がいます。

デメリットは病気に弱いことと、コーヒーの実が隔年収穫なこと。そのため、各産地では品質改良がおこなわれています。エルサルバドルは、おいしいブルボンを味わえる数少ない産地なのです。

見た目の特徴は、次の2つ。

  • 丸みがある
  • 小粒

香りが良く、身が引き締まっています。

続いて「パカマラ」

パカマラは、アラビカ種の「パーカス」と「マラゴジッペ」を人工交配させてできたエルサルバドル独特の豆です。

収穫量は少ないですが、高品質でとても人気があります。COEと呼ばれる、その年に収穫された最高豆を決めるコンテストでも、入賞常連の豆です。

「甘み」「コク」があり、酸味・苦味とのバランスがとても良いのが特徴。まろやかであっさりとした飲みやすい豆です。

パカマラの見た目の特徴は、次の通り。

  • 大粒
  • 肉厚

他の豆に比べ、ビックリするほどの大きさ。それが1番の特徴です。

【豆知識】

エルサルバドルのコーヒー豆の精製方法は、大半が「水洗式」なのですが、ちょっと変わった方法もあります。

それが「ハニープロセス」「温泉式」

一般的には精製のとき、コーヒー果実の中にある粘液質の「ミューシレージ」というぬるぬるした部分を取り除きます。

ミューシレージがイメージしにくい方は、果物の種の周りにあるヌルヌルした感じの部分をイメージしてみてくださいね。

このミューシレージを取り除かず、残した状態で乾燥させるのが「ハニープロセス」。甘みと果実感が増すので、中米を中心に広がっている精製方法です。

それでは、気になるワード「温泉コーヒー」とは一体何なのでしょうか。

エルサルバドルは火山の国なので、温泉が多いです。その温泉を32℃~34℃まで冷却させた「温泉水」で精製したのが「温泉コーヒー」

ミネラル分を含んだ温泉水で精製することで、甘みが増し、全体的にまろやかな味になります。

温泉で癒されるのは人だけじゃないんですね!

エルサルバドルコーヒーの等級について

では次にエルサルバドルコーヒーの等級について見ていきましょう。

エルサルバドルのコーヒーには、厳密な等級分けがありません。豆を栽培している標高によって、3つの等級に分けられています。この中で標高が高いほど、高品質と判断するのが基本です。

下記に、等級の高い順番に並べてみました。

  • 標高1,200m以上で栽培収穫された豆:ストリクトリー・ハイ・グロウン(SHG)
  • 標高900m以上1,200m未満で栽培収穫された豆:ハイ・グロウン(HG)
  • 標高900m未満で栽培収穫された豆:セントラル・スタンダード(CS)

また、実際に売られているコーヒ豆には「エルサルバドル+農園名+SHG」と表記されることが多いです。

買うときにチェックしたい!エルサルバドルの有名なコーヒー農園

エルサルバドルには多くのコーヒー農園があります。

有名な農園の特徴と、栽培種についてまとめてみました。

農園名

特徴

主な栽培種

モンテカルロス農園

2019年スターバックスでエルサルバドル3種の豆を販売。

パカラマ カトゥアイ ブルボン

サンタリア農園

火山灰土壌に加え、シェイドツリーの落葉が腐敗土を作り最高の土壌環境がある。エチオピアのモカのような独特のフレーバーを持つ豆を栽培している

ブルボン パカラマ パカス

シベリア農園

シベリアという名は、標高が高く、涼しいことからつけられた。2005年の火山噴火により周辺は全て火山灰に覆われ、全滅したコーヒー農家が多かったが、シベリア農園は被害を免れた。

ブルボン パカマラ

モンテシオン農園

自然保護や社会貢献活動に熱心な農園。日本からの寄付で農園内に託児所も設立した。

ブルボン

サンタローサ農園

2019年のCOEにてサンタローサ農園のパカマラが1位を獲得。ハニープロセスを取り入れている。

パカマラ

サンタテレサ農園

天然温泉に囲まれているサンタテレサ農園では、冷却した温泉水でコーヒーを精製する温泉パカマラを出荷している

パカマラ

シャングリラ農園

コーヒーへの熱い情熱を持つ若きオーナーの農園。COE入賞経験あり。

ブルボン

ラ・レフォルマ農園

今なお変わらない栽培方法を続ける100年以上歴史のあるコーヒー農家。2011年COE3位入賞。

ブルボン

他にも、エルサルバドルには農園がたくさんあります。農園の栽培種や栽培方法により、多種多彩なコーヒーの味。お気に入りの農園を探してみるのも楽しそうですね!

エルサルバドルコーヒーの入れ方

コーヒーの淹れ方により、その豆の持つ風味や香りを引きだすことができます。上手に淹れられたなら、まず鼻孔をくすぐるいい香り。思わず、エルサルバドルの農園で働く人たちの笑顔を思い浮かベてしまうかもしれませんね!

ここでは、おいしいエルサルバドルのコーヒー豆を、さらにおいしく飲める淹れ方をご紹介します。

エルサルバドルコーヒーは85~90℃のお湯で淹れよう

コーヒーは、抽出する温度が高いと苦味が強くなります。「甘み」はエルサルバドルのコーヒーの魅力。この魅力を存分に引きだすためにも、沸騰したお湯を85℃~90℃に下げてから淹れましょう。

チョコレートのような「甘み」がふわっと口の中に広がり、あなたの心と味覚をつかんで離さないはず!

浅煎り(ミディアム)のエルサルバドルコーヒー

エルサルバドルを代表する「パカマラ」。魅力的な「果実感」「香りの良さ」を持っています。

浅煎りにすることで、その豆が持つ香りやフルーティーさをより深く味わうことができるので、パカマラの魅力を存分に味わいたい方は浅煎りにしてみましょう。

エルサルバドルを長年支えてきた「ブルボン」は、上品な酸味を持っています。その上品さにもう一歩踏み込みたい場合は、浅煎りがおすすめです。

中煎り(ハイ、シティ)のエルサルバドルコーヒー

「パカマラ」の「甘み・コク・酸味・苦味」をバランスよく楽しみたい方は中煎りで。シティローストがおすすめです。

パカマラの甘みにトリコになってしまうかも!

軽い口当たりの「ブルボン」は、中煎りにすることで、その「あっさりさ」が際立ちます。すっきりと飲みたい気分のときは、中煎りが良いでしょう。

深煎り(フルシティ)のエルサルバドルコーヒー

それほど苦味が強くないパカマラですが、苦みをもう少し味わいたい方は深煎りにしてみましょう。チョコレートのような風味も出てきます!

ブルボンは深煎りにすることで、ビターチョコレートのような香ばしさも生まれます。深煎りにしても苦味が出過ぎません。そのため、「苦味は得意じゃないんだけどな…」という方でも試してみる価値はありますよ!

エスプレッソで楽しもう!

「パカマラ」でエスプレッソを楽しんでみませんか?

エスプレッソとは、専用のマシンを使い、蒸気で瞬間的にコーヒーを抽出させる飲み方のことです。

短時間で一気にコーヒーを抽出させるので、雑味が出ず、コーヒー豆の持つおいしさを十分に味わうことができるんです!

「パカマラ」が持つ芳醇なボディを、エスプレッソにすることでより一層感じられます。フルーティーさもある豆なので、果実の風味もより深く口の中で転がってくれそうですね!

エスプレッソと言えば深煎りというイメージがありますが、北欧では浅煎りでフレッシュな味わいのエスプレッソが多いそう。

パカマラを浅煎りでエスプレッソ、なんてどんな味になるんでしょうね!

ブレンドするのもオススメ

ストレートコーヒーとして飲むのが1番オススメですが、同じ中南米のコーヒー豆とのブレンドなんていうのもいいですね!

オススメのエルサルバドルコーヒー

エルサルバドルのコーヒーは、コーヒー豆にこだわりを持っているカフェで飲むことができます。でも家で自分でドリップしたい、または家で気軽に飲みたい方向けにおすすめのコーヒーをご紹介します。

レギュラーコーヒーのオススメ3選(どこか1つにお土産にもピッタリの商品を紹介)

商品1:土居珈琲 初めてのセット

土居珈琲の初めてのセットには「エルサルバドル ラ・レフォルマ農園」と「グアテマラ カペティロ農園」のコーヒーセットになっています。

土居珈琲で人気の2つがセットになった「初めてのセット」。隣り合ったエルサルバドルとグアテマラ、この2つのコーヒーを飲み比べられます。

高橋
初めてのセットは、シンプルでスタイリッシュな紙袋入りなのでプレゼントにも最適!土居珈琲のコーヒー豆はおいしいだけじゃなくて、パッケージもおしゃれです。

商品2:加藤珈琲店のエルサルバドルのカップオブエクセレンス100g

カップオブエクセレンスで入賞を受賞した「パカマラのハニープロセス」を味わうことができます!

甘みと酸味とコクのバランスが素晴らしいコーヒー豆です。

高橋
その年に収穫された最高の豆を選ぶコンテストである、カップオブエクセレンス。そこで入賞された豆は、コーヒー好きなあの人と一緒に、贅沢なおいしい時間をシェアしたくなります。

商品3:小川珈琲スペシャルティコーヒーブレンド009 170g

中南米のコーヒーでつくったブレンドです。

  • エルサルバドル50%
  • コスタリカ30%
  • グアテマラ20%

パッケージも書かれているように「甘い果実の香りと濃厚な甘み」を味わうことができます。

インスタントコーヒーのオススメ

希少豆を栽培しているエルサルバドルなので、インスタントコーヒーは見かける機会がとても少ないです。

インスタントよりちょっとだけ手間はかかりますが、おいしさは何倍もアップする「ドリップバッグ」のコーヒーはいかがでしょうか?

「自家焙煎珈琲工房ひぐち」の「エルサルバドル サンタリカ10g×1パック レインフォレストアライアンス認証」は、お湯を注ぐだけで香り高くおいしいコーヒーをすぐ飲むことができます。

高橋
コーヒー豆は、エルサルバドルのブルボンを使用。苦味が少なく、まろやかで飲みやすいコーヒーです。

まとめ

中南米の小国エルサルバドル。

政府により強制的に始まったコーヒー栽培でしたが、エルサルバドルが持つ地形や気候がコーヒー栽培に適しており、あっという間に生産量が世界第4位を誇るようになりました。

その後内戦などにより生産量は激減しましたが、希少豆である「ブルボン」やエルサルバドルで人工交配させた「パカマラ」など高品質の豆を作り続けています。

とくに「パカマラ」はCOE(毎年収穫されたコーヒー豆の中から最高豆を選ぶコンテスト)で入賞常連となっています。

パカマラは「甘み」「果実感」を持ち、コクもあります。「酸味・苦味・甘み」のバランスも良いので、まろやかであっさりとした飲みやすいコーヒーです。

焙煎のおすすめはシティロースト。パカマラの持つ甘みを存分に楽しむことができます。

現在輸出量の半分をコーヒーが占めるエルサルバドルは、コーヒーと運命を共にしている国です。エルサルバドルが誇るコーヒーをぜひ味わいながら、日本の裏側にあるこの国に想いを馳せてみたくなりますね。

  • この記事を書いた人

fujiko

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