コーヒーの淹れ方

フレンチプレスならコーヒー豆の旨味をダイレクトに味わえる!おすすめの淹れ方も紹介します!

「美味しいコーヒーを自宅でも淹れてみたいけれど、ハンドドリップは難しそう…」

そんなお悩みをお持ちではありませんか?

そんな方には「フレンチプレス」がおすすめです。

フレンチプレスは、コーヒーとお湯が入るポットの中に、フィルターとそれを押し付けるブランジャーという棒が入った器具で、私も普段から愛用しています。

フレンチプレスは、コーヒー豆がお湯に触れている時間が長いため、豆の個性を引き出しやすいく、スペシャリティコーヒーの抽出に向いています。

さらに、淹れ方もとっても簡単で、お湯をそそいで待つだけ!

技術も要らず手軽に入れられるので、初心者さんにもおすすめです。

この記事ではそんなフレンチプレスの特徴や淹れ方、器具の選び方やお手入れ方法をみていきたいと思います。

1. フレンチプレスとは?

フレンチプレスはもともとコーヒーの抽出道具として開発されました。
紅茶専門店でも見かけることの多いフレンチプレスですが、もとはコーヒーの抽出道具として開発されました。

えっ、この道具って紅茶に使うものじゃないの?」と思った人もいるかもしれませんね。

実はフレンチプレスは、1930年代にイタリアでコーヒーを淹れるために開発され、第二次世界大戦後にパリのカフェで使われるようになったことから「フレンチプレス」と呼ばれるようになりました。

アメリカでは「ブランジャー」、北欧などではコーヒー器具メーカーの名前をとって「ボダム」と呼ばれることもあります。

そんなフレンチプレスの一番の特徴は、なんと言っても「アロマを楽しめる」こと!

アロマとはコーヒーを淹れたときにただよう心地よい香りのこと。これをたっぷり楽しめるのがフレンチプレスの特徴なのです。

また、コーヒーを淹れたことのない初心者でも、手軽においしいコーヒーを淹れられることも魅力の1つですね。

手軽で美味しいコーヒーが淹れられるフレンチプレス。プロのバリスタでも「自宅で気軽に淹れたいときはフレンチプレスを使う」という方が少なくないようです。

そんなフレンチプレスの私が思う良いところは、次の3つ。

フレンチプレスの良いところ
  1. コーヒーの美味しさ全てを引き出せる
  2. テクニックが要らない
  3. 安定して同じ味で淹れられる

それぞれ順番に詳しくお伝えしていきますね。

コーヒーの美味しさ全てを引き出せる

ペーパードリップに比べ、コクと深みのある味わいになると言われるフレンチプレス 。その特徴として、「コーヒーの美味しさ全てを引き出せる」ということが挙げられます。

フレンチプレスで淹れたコーヒーはコーヒーオイルが浮いている。

フレンチプレスで淹れたコーヒーをよく見てみると、「コーヒーオイル」が浮いているのが見えるはずです。

フレンチプレスでは、金属フィルターを使うため、紙のフィルターを使ったドリップコーヒーでは抽出できない、コーヒーの香りやコクの源”コーヒーオイル”を抽出できるんです。

さらに、高温のお湯で抽出するため華やかな香りを引き出せたり、コーヒーがお湯に浸かっている時間が長いため豆の個性を引き出せたり、まさにコーヒーの美味しさ全てを抽出できる淹れ方なんです。

最初はカップの表面にオイルが浮いていたり、独特の濁りのある見た目に驚かれるかもしれません。ですが、これがフレンチプレスで淹れたコーヒーの美味しさの源です。

ぜひ焙煎したて、挽きたての美味しい豆で試してみてくださいね。一般的なハンドドリップとは異なるコクと深みのある味わいにきっと驚くと思います。

テクニックがいらない

「お湯をそそいで待つだけ」というお手軽さもフレンチプレスの大きな特徴です。「ハンドドリップは難しそう」と感じている初心者さんでも、紅茶や緑茶をポットで淹れるのと同じ感覚で淹れることができます。

使うお湯も沸かしたてのお湯でOK!ハンドドリップのように90℃前後まで冷ます必要がありません!

なので、温度計やそそぎ口の細いポットがなくてもおいしく淹れることができるんです。

安定して同じ味で淹れられる

普段ハンドドリップでコーヒーを淹れる習慣のある方なら誰しも、「なんで同じ豆を使ってもバリスタみたいに美味しく淹れられないんだろう…」とため息をついた経験があるのではないでしょうか。

ハンドドリップでは、豆の種類、量、湯温を一定にしても、お湯の注ぎ方で味が微妙に変わってしまいます。

でも「お湯をそそいで待つだけ」のフレンチプレスなら、豆の種類、量、湯温、抽出時間を一定にすることで誰でも同じようにコーヒーを淹れることができます。

気に入った味を何度でも再現することができますし、初心者でもバリスタ並みの味で淹れることが可能になるのです。

フレンチプレスのちょっと残念なところ

そんな良い面がたくさんあるフレンチプレスですが、ペーパードリップに慣れた人にとっては面倒だったり、残念だったりする面もあるかもしれません。

ペーパードリップに比べてお掃除は手間かも

ドリッパーをつまんで捨てるだけのペーパードリップに比べると、フレンチプレスは使った後の掃除がちょっと手間に感じるかもしれません。抽出が終わった粉を捨て、細かい部品がいくつかある本体を洗剤で洗う必要があります。

スッキリよりどっしり派向きかも

なんとなく油っぽく感じる、すっきりした風味が好みなのにそうならない…。ペーパードリップの味に慣れていると、フレンチプレスで淹れたコーヒーはそんな風に感じるかもしれません。

アロマとコクの源であるコーヒーオイルを一緒に抽出できることで、コクのある濃厚な味わいが楽しめるフレンチプレス。しかしすっきりさっぱり、キレのある味わいがお好みの方には不向きかもしれません。

すっきりした味わいが好みの方は、ペーパードリップにチャレンジしてみてください。「ハンドドリップは難しいから無理!」と思われるかもしれませんが、そんな初心者の方でも上手に扱えるドリッパーも市販されています。初心者でも美味しく淹れられる弁つきのドリッパー「クレバー」や、美しい見た目で大人気な「ケメックス」のドリッパーを使えば、きっと好みの味を美味しく淹れられますよ。

気になる人は、試してみよう!

日本でフレンチプレスコーヒーが飲める代表的な場所はスターバックスです。裏メニューとして提供されていて、注文時に「プレスで」と伝えると挽きたての豆を使って淹れてくれますよ。

他には東京西麻布の「丸山珈琲」がフレンチプレスコーヒーの名店として知られています。気になる人、一度フレンチプレスの味を試してみたい方は、はぜひ足を運んでみてくださいね。

3.フレンチプレスでのコーヒーの淹れ方

そんな魅力あふれるフレンチプレスコーヒー。ここからは具体的な淹れ方を紹介していきます。

フレンチプレスの各部名称

フレンチプレスの説明

基本のコーヒー豆の目安

  • 350mL:16g
  • 500mL:24g

焙煎度はお好みで、中粗挽きがおすすめです。

理由については、次の「フレンチプレス向けの豆の選び方」のところで詳しく解説しますね。

まずは、淹れ方について見ていきましょう。

*淹れ方*

手順1
ポットにコーヒー粉を入れ、タイマーを4分にセットする。
 
 
手順2
タイマーを始動させ、コーヒー粉がひたる程度にお湯をそそぎ、蒸らす。
 
 
手順3
30秒後、残りのお湯を全てそそぎ、ブランジャーを一番上まであげた状態で蓋をセットする。
粉を踊らせないようにゆっくりそそぐのがポイント! 
 
手順4
タイマーが鳴ったらブランジャーをゆっくりと下げ、カップにコーヒーをそそぐ。
最後までそそぎきらないのがポイント! 金属フィルターを通り抜けた微分が入ってしまうと、ザラザラとした舌触りのコーヒーになってしまいます。
 
★ポイント★

「豆とお湯の重さをきちんと計ること」

豆やお湯の量が違うと、「あれ?昨日は美味しかったのに今日はいまいちだな。。。」と感じてしまうことがあります。

毎回きちんと測定しておくと、だんだん自分の好みの味にも近づけられるので、少し面倒ですが、きちんと計量しておくと良いですよ。

フレンチプレスの場合、分量さえ間違えなければ、大きな失敗はしないので、自分好みの味に近づけやすいのもポイントです!

4.応用編:フレンチプレスを使ったアイスコーヒーの淹れ方

フレンチプレスを使用したアイスコーヒーのレシピ。
淹れ方の項目で紹介した方法からお湯を1〜2割ほど減らして淹れ、たくさんの氷を入れて急冷すれば美味しいアイスコーヒーができます。

金属フィルターを使うフレンチプレスは、微分が混じるため、濁った色味になるのが特徴。透明なグラスに入れると気になるかもしれませんが、味はとても美味しいです。

この淹れ方でももちろん美味しいのですが、フレンチプレスで淹れるコーヒーはもうひとつ「コールドブリュー」と呼ばれる淹れ方があります。いわゆる「水出しコーヒー」です。時間はかかりますが、これも美味しいのでぜひ試してみてください。

コールドブリューの淹れ方

*作り方*

手順1
コーヒー粉と水をポットに入れ、ブランジャーをあげた状態でセットする。
粉と水は1:10の割合で入れます。350mLのフレンチプレスなら粉30g、水300mLがおすすめ
 
手順2
冷蔵庫に入れ、8時間置く。
 
 
手順3
ブランジャーをゆっくり下げ、カップにコーヒーをそそぐ。
 コツは豆と水の量をきっちり計量することです。分量さえ守れば大きくミスすることはありませんよ。お店などでは900mLの大きなフレンチプレスを使って淹れられることもあるようです。
 

5.フレンチプレスに向いたコーヒー豆の選び方

フレンチプレスに使うコーヒーは、できるだけ高品質なものを選ぶと良いでしょう。

コーヒー豆がお湯に浸かっている時間が長く、豆の個性を引き出す抽出方法であるフレンチプレスは、美味しい豆ならその香りや味わいを強く引き出すことができます。

一方で焙煎から日が経った豆や選別が行き届いていない豆だと、雑味やえぐみを強く引き出してしまい、失敗することが多いのです。

フレンチプレスに合う豆選びのポイント
  1. 選別の行き届いた高品質な豆を選ぶ
  2. 焙煎からできるだけ日が経っていない新鮮な豆を選ぶ

フレンチプレスに適した焙煎度

焙煎度は浅煎り〜深煎りまで、どんな度合いでも適します。浅煎りの豆なら酸味とフルーティーなアロマが引き立ち、深煎りならしっかりした苦味とコクが際立つコーヒーが淹れられます。

焼き菓子と合わせるなら華やかな香りの浅煎り、サンドイッチと合わせるならバランスの取れた中煎り、チョコレートと合わせるならコクのある深煎りと、食べ合わせで選ぶのも楽しいです。お好みの焙煎度を探してみてくださいね。

フレンチプレスに適した産地

産地も特に適したものはありません。困った場合は、ひとまずお店がおすすめしているブレンドを頼むとよいでしょう。あとは好みのブレンドに入っている産地のものを試してみたり、好きな香りの豆を選んでみると、きっと好みの味に出会えますよ。

フレンチプレスに適した挽き方

挽き方はペーパードリップよりもやや粗めの中粗挽きが適しています。細かく挽いてしまうと微粉が金属フィルターを透過してしまい、ザラザラとした口当たりのコーヒーになってしまいます。一方、粗挽きだとコーヒーの成分が十分に抽出しきれないことがあります。

なので、中粗挽きがおすすめなんです。

販売店で豆を挽いてもらう場合は「フレンチプレス用」と伝えると、少し粗めに挽いてもらえますよ。

6.フレンチプレスで上手くコーヒーが淹れられない時の対処法

手軽な反面、「あまり美味しく淹れられなかった」という声も多いフレンチプレス。

  1. 美味しくない、香りが良くない
  2. ザラザラした舌触りが気になる
  3. コーヒーが酸っぱくなる

この3つのよくある失敗例と対処法をみていきましょう。

美味しくない、香りが良くない

焙煎から日が経った豆を使っていませんか? あるいは欠陥豆を十分に取り除けていない格安の豆を使っていませんか?

フレンチプレスには品質の良い、焙煎から1週間以内の新鮮な豆を使うことをおすすめします。

お湯にコーヒー豆が浸かっている時間が長いフレンチプレスは、良い豆の魅力や個性を引き出せるのが特徴です。その一方で品質の悪い豆では雑味やえぐみを強く引き出してしまうというという側面があります。ペーパードリップではある程度の雑味やえぐみは紙が吸ってくれるのですが、フレンチプレスでは全てダイレクトに出てしまいます。

なので、「なんとなく美味しくないなぁ。香りがイマイチ」という人は、まずは焙煎直後の豆で淹れてみましょう。

ザラザラした食感が口に残る

細挽きのコーヒー粉を使っていませんか? あるいは最後の一滴までコーヒーをそそごうとしていませんか? またお湯を注ぐときに勢いよく入れてしまったり、ブランジャーを勢いよく押してしまうと微粉が混入しやすくなります。

ポットからカップに移す前に、注ぎ口付近に浮いた微粉まじりのコーヒーを別の容器に移したり、微粉が多く含まれた淹れ終わりのコーヒーを入れないようにすれば、多少軽減できます。

コーヒーが酸っぱくなる

沸かしてから少し時間の経ったお湯を使っていませんか?

ペーパードリップでは沸かしてから少し時間の経った90℃前後のお湯が適していると言われますが、フレンチプレスでは沸騰直後のお湯が適しています。高温のお湯で抽出することで酸味が気にならなくなり、華やかな香りを引き出してくれます。

コーヒー豆は、高温で入れると酸味より苦味が強くなり、低温で淹れると酸味が強くなる性質があります。なので、酸っぱい! と感じた人には高温で淹れるのがおすすめです。

高温で淹れたのに酸っぱいなら

高温で煎れたのに酸っぱいなら、もしかすると豆の焙煎度合いが原因かもしれません。一般に浅煎りの豆なら酸味が強く、深煎りの豆では苦味が強くなります。深煎りの豆に替えてみると好みの味に出会えるかもしれません。

また焙煎から日が経った豆も酸化が進むため、酸っぱくなってしまいます。焙煎から1週間以内の新鮮な豆なら比較的酸味を感じにくいです。

7.おすすめのフレンチプレスの紹介

次は「これからフレンチプレスを購入したい!」と考えている方に向けて、おしゃれで使い勝手の良いフレンチプレスや、コンパクトで機能的なアウトドア用のフレンチプレスの紹介をしていきます。

私が使っているのはハリオのフレンチプレス

私が使っているフレンチプレスはハリオの350mLのものです。蓋のオリーブの木目に惹かれて購入しました。使い込むうちに木の色がだんだんと飴色に変色するのがたまりません。容量もマグカップ1つにちょうど収まる量で、使いやすく重宝しています。

フレンチプレスを選ぶポイントは、容量と材質です。自分が淹れたいコーヒーの量に見合うものを選びましょう。材質はガラス製なら匂いがつきにくく、プラスチック製なら割れる心配なく気軽に使うことができます。

シンプルでエレガントなボダムのフレンチプレス

ボダムのフレンチプレス

デンマークのコーヒー用品メーカー・ボダム。北欧ではフレンチプレスの代名詞になるほどの人気のメーカーだとか。シンプルでエレガントな見た目が魅力です。値段の安さと、サイズの豊富さも嬉しいですね!

コスパ最強なニトリのフレンチプレス

ニトリのフレンチプレス

「お値段以上」をうたうニトリ。その謳い文句に違わず、コスパ最強のフレンチプレスが売られています。600mLの大容量でガラス製、食洗機対応なのに1000円を切る安さ! 「聞いたことのないブランドのものを買うのはちょっと…」という方も手を出しやすい、「最初の1つ」におすすめのフレンチプレス です。

スノーピークのアウトドア用フレンチプレス

スノーピークのアウトドア用フレンチプレス
アウトドアブランドとして名高いスノーピークのフレンチプレス です。チタン製で見た目がとにかくかっこいい上、なんと直火にかけてお湯を沸かすことができるそう! お湯を注ぐ目安となる目盛りもしっかりついていて、キャンプ中でもスマートに美味しいコーヒーがいただけますよ。

8.フレンチプレスのメンテナンス

手軽に扱えるフレンチプレスですが、しっかり洗うことができないと匂いが残ったり、残った汚れが酸化してせっかくのコーヒーに悪影響をもたらしてしまいます。

しっかり洗い方をマスターしておきましょう。

フレンチプレスの洗い方

  1. ブランジャーのネジを緩めておく。
  2. ポットに少量の水と洗剤を入れ、蓋を閉める。
  3. ブランジャーを上げ下げし、洗う。
  4. 水を替えながら③を何度か繰り返す。
  5. よくすすぎ、しっかり乾かす。

生乾きのまま蓋を閉めてしまうと悪臭の原因になるため、分解した状態でしっかり乾かすと良いでしょう。しまう前に緩めたブランジャーのネジを締めるのを忘れずに。

毎日の洗い方はこれで十分ですが、たまにはブランジャーを全て分解して洗う日を作ると良いでしょう。

フレンチプレスはコーヒー用と紅茶用を分けたほうがいい?

気になる場合は分けたほうがいいと言われていますが、兼用でも問題ありません。材質がプラスチックだと匂い移りしやすいので、心配な場合はガラス製のものを選んで、しっかりと洗うとよいでしょう。

私はコーヒー・紅茶・緑茶を兼用で使っていますが、匂いが気になったことは一度もありませんよ。たくさん活用してくださいね。

終わりに

特に技術のない人でも、手軽に美味しいコーヒーを淹れることができるフレンチプレス 。ぜひお気に入りのカフェやロースタリーで焙煎したての美味しい豆を手に入れて、試してみてくださいね。きっと美味しさに驚くはずです。

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  • この記事を書いた人

cafe_fika

【cafeサイト『fika(フィーカ)』管理人】カフェタイムを自分らしく、もっと自由に楽しむためのお手伝いを。元お茶派だったのに、異動でcafeサイト管理人⇨知識0からコーヒーの勉強をスタートしました。1日の大切なリラックスタイムが今よりもっと素敵な時間になるように、コーヒービギナーがんばります!

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